ロープワーク、ほかには?

あるよ。

けどキリがないし、ほんとに面白いと思ったら、ロープワークの本を買って練習した方が面白いと思うのね。ブーリンの説明の最後に書いたけど、「ちょっとした脳トレ」だと思って取り組むのも悪くないし。

この話題をはじめたのが「東京防災」なので、「いざというときのための」というのは「ないことはない」けれど、そもそもロープワーク自体が「面白い」ものなのだから、遊びの一環として、趣味の一つとして取り組んでたら、「気付いたらイザというときに役立ってた」くらいが丁度いい。身構えてその「イザ」に使おうとするとさ、ピント外れのことになりかねない。林先生ふうに言えば「今じゃないでしょ!」的なこと。

ワタシは「ブーリン(1)」、「ブーリン(2)」、「クローブヒッチ」、「リーフノット」、「オーバハンドノット」、「ラインマンズループ」を紹介した。このほかの「最低限」を挙げるとしたら多分これら:

  • two half hitch (ふた結び)
  • tautline hitch (自在結び)
  • tracker’s hitch (トラッカーズヒッチ)

two half hitch は google 画像検索だけでどんなかはわかるんじゃないかと思う。ロープ端をさっと立ち木に結び付けるのに、簡単で確実で、解きやすいうえに強度も十分。

tautline hitch、tracker’s hitch は、lineman’s loop 同様に「モテモテになれる」、というか「あなたが重宝がられる」ので、憶えておくといい。前者は「自在」の名の通り、スライド出来る結び。後者は「ピンと張る」のに適した結び。両者ともそれなりには複雑なので、画像検索(tautline hitchtracker’s hitch)だけで理解するのは苦痛かもしれない。

これ以上のものももちろんいっぱいあって、例えば組み木に必要なロープワークなどは、それこそ「イザ」に備えたければ、憶えておいて損はないタイプのもの。当然「訓練が必要」で、誰でも出来ることではないので、これができればそれこそ女の子にさえモテモテだろう、きっと…。「防災のため」じゃなくモテるためのロープワーク、悪くないんじゃないかな :-)










ところで、「今じゃないでしょ!」的防災意識については、最近ちょっと気付いたことがあって。

どんな検索したか忘れたけど、「いざというときのための飲料水確保」なネタで、「水を浄化して飲む」ための「○バーまとめ」を見つけてしまったのなぁ。うーん…。

知識として知っておくことは確かに大事かもしれないよ? けどさ、「ペットボトルとバンダナ・木炭・小石を用意します」てだけでもう、「ヲィ」ってシチュエーションになりかねない。「都会に住んでいて、大規模災害が起こった」が「イザ」だとして、その木炭、どこから調達すんの? とかね。過剰反応もしくは想像力欠如、なのではないのかな、とちょっと心配になってくる。

インターネットやら書店やらですぐにみつかる「サバイバル術」は、主にはやっぱり「非日常空間にわざわざ出向いた場合に身に降りかかる非常事態」に備えた話なのね。つまり「山で遭難した」とかね。「山で」と限定するからこそ、「木炭を作る」という「状況」が成立するのであって、ビルの中に閉じ込められました、水が出ません、な状況に、耐えられるかぁ?

要は「順番」の話。「イザというときのための手段」には、「最後の手段」も含まれるわけだね。「泥水」は、飲まないで済むなら飲まない方が、そりゃぁ良いに決まっている。その「○バーまとめ」には、この観点がまるっきり欠けている。

まずは備蓄、でしょうよ。そして次に、「神社や寺」などの、「井戸がある」場所を知っておくこと。ワタシの両親は 3.11 時にこれのおかげで水不足では困らなかったようだ。これらが適わない「イザ」がその次にやっと考えること、なわけであろう。近場の井戸の存在も知ろうとせずに泥水ろ過して飲もうと考えるのだとしたら、ちょっとどうかしてる。