It’s time to replace XXXs with YYY zzz!

「てほどのもん?」と思ったある論述について。

まぁその通りなんだけどさ、とも思ったよ、けどね。

なんというかね、「AV1 の登場によってますますアニメーション GIF る必要性がなくなったのだぜぃ」って、「絶妙に季節外れだ」て思ったわけよ。ちなみにワタシはこんなのを書いてる:

「アニメーション GIF」は、正直言って私は「無垢な一般人」か「思考停止型エンジニア」だけが喜んでいたシロモノであって、ちょっとでもその中身を知ってれば、誰でも「これはダメなもの」だとわかってるはずのものなんだよ、と思ってきた。これの一番の「メリット」は、たとえば FLASH ビデオとかみたいな特殊な追加機能なく「多くのブラウザが解する」ということなのだけれど、これだって、もはや HTML5 が十分に浸透してきた今となっては、かえってアニメーション GIF よりも「<video>」の方が遥かに環境非依存だったりするわけで、もはやこれはあまり大きなメリットではない。それに「ブラウザが」というのが問題なんだよ、「イメージビューワ」がこれを理解しない場合が結構多いんだから。

「無垢な一般人」か「思考停止型エンジニア」、と言った。というのは、「AV1 の有無とは全く無関係に」て話。its-time-replace-gifs-with-av1-video でのサイズ比較を見てみるのもいいし、実際に自分でやってみるのもいい。あなたに必要なことは、最低でも「アニメーション GIF は「巨大だ(なおかつ劣悪な画質足りうる)」」ということを理解することである。「AV1が小さい」なんてことは些末な詳細に過ぎない。巨大な GIF に較べれば、H.264 だって遥かに小さいのである。なんてことは、まぁ実際に自分のサイトに貼り付けてみたことがある人なら絶対にすぐに気付くことだと思うわけよな。

つまり、ワタシは「It’s time to replace GIFs with HTML5 video!」だったら共感してた。少なくとも「もう GIF、いらなくね?」となる動機が AV1 であることはなくて、どう考えたってまずは HTML5 である。だからその意味でこのネタは「たぶん二周回以上遅れの浦島太郎」である。そして AV1 だが、今これの「エンコーダ」の状況はあまり良くない(デコーダはむしろ H.265 より良いのが困る)、ので、この意味では一周回以上早い「勇み足」である。

「エンコーダ」の状況、なのだが、今 こいつの中でどうしてやろうか、てことなのだ。AV1 関係のパッケージは、libaom が一番素直に利用出来るものなのだが、これが「日が暮れる」てほどに凄まじく処理が遅い。たぶん10分のビデオを処理するのに、core i3 クラスのスペックなら24時間以上かかると思う。そして、それのライバルである librav1e と libsvtav1 が、ともに悩ましいヤツでな。前者が、「RUST」て書かれちゃってること。かなり処理性能の改善をしてくれたらしいので、使ってみたい気持ちはあるのだけれど、でもこれだけのために RUST 依存というのは躊躇する。後者は、ライセンスが非互換なんじゃないかという気がする。「the BSD-2-clause license and the Alliance for Open Media Patent License 1.0.」って、おそらく「--enable-gpl」「--enable-version3」と非互換じゃないかな? あと ffmpeg-5.1+ を要求しちゃってるのも厄介で(これより古いものを使いたくばパッチろ、or DIE、だとさ)。

そんなわけで、少なくとも「ビデオそのもの」を使うだけの場合に「サイズがバリ小さかよ、じゃけん GIF る意味ないろ」と言いたくなるのはわからんでもないけれど、たとえばさ、なんらかのサイトを構築するための部品として「AV1 + videoタグ」を考える場合に「エンコード」について考えないわけはないでしょ、ここまで極端に処理時間がかかるとなると、そうした構築の設計問題にもなるのだから。のでやっぱり「AV1 が出来たから」ことがアニメーション GIF の駆逐の決定打として機能するかといえば、今のこの状況ではそれはかなり考えにくいだろうよ、とね。

まぁちょっとツッコミは入れたくなったのは事実だけれども、ただ、「いい加減アニメーション GIF はやめれ」にだけは間違いなく共感。ワタシもたまにこのブログに貼り付けてはいるけれど、これは WordPress 記事編集が img の方が若干手間が少ないから、てな割としょーもない理由。でもさすがにワタシ自身もアニメーション GIF を避けるようにしてった方がいいんだろうな、と思った。