モテるロープ「lineman’s loop(中間者結び)」

東京防災から派生したロープの話を懲りずに続ける。

lineman’s loop(中間者結び)は、厳しい冬山登山をしない限りは、是が非でもマスターしなければならないというほどでもないんだけれど、「憶えると便利」です。

lineman’s loop は指先も駆使して頭使って結ばないと簡単に結べない、本来。理屈はとても簡単で、説明だけ見ると簡単に出来るだろうと思うはず。でも実際やってやってみると、苦心する。試しにどこか他でこれの説明を読んで、やってみるといい。八の字を維持して折り返すのが難しく、折り返した先端をどこに通せば良かったのかすぐに見失ってしまうのだ。また、「キンク(ロープに付く癖)」が邪魔しやすいのも厄介。

以下は、ワタシがやりやすいと思った手順:

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この手順は左手に「キツネ」を作ってそこに引っ掛けることで、八の字維持とキンクの問題を避けている。どこかで読んだとかではなく自分で編み出したけれど、ちゃんと考えれば誰でもこれに辿り着くと思うので、探しまくればきっとどこかで誰かが書いてそうな気はする。

lineman’s loop をマスターしていると、「モテモテになる」かもしれない。

…というか、避難所生活が長引いたりなんかしてるような場合に、「重宝される、あなたが」、という可能性の話。女の子にはモテないだろう。

「中間者結び」というのは、登山のアンザイレン時の、ザイルを中間者に結び付けるために用いられることからの名前。無論そんなシチュエーション、登山者でないなら、災害時だって起こらないだろう。

この結び方が重宝するのは、小物を吊り下げたりするのに便利だから。とりわけありがたいのは、ロープが水平方向に張られてようが、鉛直方向に張られてようが、どっちでも同じ使い勝手の小物かけになること。こんなありがたい性質のグッズ、DIY ショップにだって東急ハンズにだって売ってない。

日常生活にも取り入れられるので、やってみては?

なお、私が画像で使ってるロープは、登山用具店で買えるナイロン性のもので、メートル単位で買います。店員さんに「3ミリを3メートル」みたいに声をかければその場で切って売ってくれるはずです。命を預けるようなザイルは 10ミリ以上を。でもね、「災害に備えてザイル」、は、よっぽどの僻地にでも住んでない限り、やりすぎと思うよ。命を預けるからには、メンテナンスも大変なんだから。命を預けるものではない多目的に使うには、5ミリが使いやすいと思う。












ちなみに。lineman’s loop の親戚の結び方には、harness loop (ハーネスループ)がある。こちらのほうが「一見簡単」なので、小物かけにはこちらも人気があるのだけれども、憶える必要はない。強度が lineman’s loop より弱く、ほどけやすい。ワタシがやってみせたやり方なら lineman’s loop も十分に簡単なので、こちらだけ憶えておけば良いのだ。