8000Hzで私の耳に奇跡が起きる! のか? (後編)

蒲田住民は今すぐ英語を学べ、2020年には外国人が押し寄せるぞ、と、駅舎立て替え後に「異様に」広くなったプラットフォームの京急蒲田駅をみて思った。

蒲田に外国人が求めるような魅力はなさそうねぇ…。

8000Hzで私の耳に奇跡が起きる! のか? (後編)

8000Hzで私の耳に奇跡が起きる! のか? (前編)」の続き、です。

本番八日目 – 8月26日 夜

朝出来なくて、夜になった。本日の自己採点:

ここ最近と、始めた当初とで違っている点が一つ。最初の数日は猛暑が続いていたので、扇風機をつけっ放しで聞き続けていたが、ここ最近は一気に涼しくなったため、扇風機のお世話になってない。ヘッドフォンではなくテレビのスピーカーから聞いているので、扇風機の騒音はそれなりに聞くのを邪魔してしまうが、それがない。

昨日、今日と、聞き取りが安定している。「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」も、昨日と同程度。「扇風機をつけてないから」という疑いはぬぐえないのだが、それ自身は昨日より前からなので、「成果が出てきている」と信じたい。

ところで昨日も実は「「私の興味が続く」24時間放送の英語教材はないかいね…あった」に書いた NASA、CBSN を、結構長時間(2時間くらいかな)流しっ放しにしていたのだけれど、流すのをやめて普通にテレビを見始めて気付いたことがあった。

「普通の日本語のテレビ番組」の音の聞こえ方が、普段と違って感じたのだ。どういう感じ方かというと、音が欠けていて「篭っている感じ」「物足りない音」「クリアな感じがしない」という感じだろうか? 英語ばかりの音声から日本語ばかりの音声に「急に」切り替えたから、ということだが、これが本当なら、著者の主張する「8000Hzが英語学習に効く」ということはあながち嘘でもないのかもしれない、と感じた瞬間だった。

と、これが昨晩の出来事。で、今日はこのことを確証したくて、教材 CD を聞き終った直後にテレビ番組に切り替えてみた。間違いなさそうだ。少なくとも切り替え直後は、普段と違って聞こえる。これは「言葉」よりは、BGM の方に強く感じる。

ワタシはもともとは比較的耳は良いほうで、人が聞こえない高周波に敏感な若者時代を過ごしていたはずなのだが、30代になってから左耳が軽度の難聴気味になってきていて、特に左耳が年齢の平均よりずっと低周波聞き取りが出来ない(1000Hzで+40(「観察」レベル))。加齢のせいもあるそうだが、難聴はストレスにも起因するらしい。「ストレスを溜めないように」だけで難聴が改善することがあったとしたって、それは「言うはヤスシ、行うはキヨシ」。だから諦めていた。「観察」レベルなら、日常生活への支障は皆無だから。

ははぁん。違って聞こえるようになった理由の一つはもしかすると、「ステレオとモノラルの差に敏感になった」の可能性がないか? 子供のころは本当にこれに敏感だったんだけどね、最近ずっとこの感覚を失ってた。なんかそのときの感じに似てる。

そしてやっと「奇跡の音8000ヘルツ英語聴覚セラピー《困っている外国人に話しかけたくなる英語編》」に書かれていた、「ありがたいことに耳は、私たちの身体の中で唯一、パソコンのようにリセットできる器官なのです」を思い出した。

まず大前提として、ワタシはこの本の言う「英語に効く」にはいまだに懐疑的だが、「聴覚セラピー」要素の方はそんなに疑っていない。「リセットできる器官」「リラクゼーション効果」に関しては、臨床的効果について序文で触れているため、まったく根拠のないデタラメということはあるまい。ということは論理的にはワタシは、「難聴改善効果」を疑っていない、ということを意味する。そうだったのかぁ! 期待しておこう。

「耳が変わってきた」のが本当だとするならば、昨日までに抱いていた「清聴トレーニングに過ぎないかもしれない」という疑念は少し晴れてくる。つまり「耳のチューニング」は、本当かもしれない。

聴覚テストが日々実施出来て、変化を記録出来たら面白いのだがなぁ…。というか、そういう臨床実験を実際にやって、それをみせてくれればもっと素直に信じれるのに。

本番九日目 – 8月27日 夜

昨日同様夜になった。本日の自己採点:

基本的に昨日とほとんど変わらない。

唯一違うのは、どうやら今日は音が聞き取りやすい気象条件なのではないか、と感じる点。台風接近の影響の天気だが、いつもより音が聞こえると思う。日本語の音声でボリューム12がかなり大音量に聞こえてしまい、10に。ただし CD はいつも通り 12 で聴いた。

おそらく気象のせいと思われるので、今日聞き取りやすかったとしてもその影響の方が大きいのであろう、と思うので、「難聴が改善しつつあるのかも」なんてことは思わないでおく。多分そう思うのは早計だ。

なお、3日間連続で聞き取りが比較的安定してる状態が続いているのは確か。3日の間だけとるとその3日間内の変化は全く感じないけれど、このトレーニングをはじめた当初より聞き取り出来てるのは確か。はじめた当初は「一瞬でも気を緩めるとすぐに置いてけぼりを喰らう」ことによる不安定な聞き取りだったと思う。今それが少なくなってきているのは、聞き取る努力の量を少し下げても足りるようになってきたから、だろう。どうやら数日前の分析の「省エネし始めている」は間違いなさそうだ。

本番十日目 – 8月28日 朝

本日の自己採点:

今日は少しだけぼーっとした状態ではあったが、出来ないほどでもないのでそのまま実行した。そんな状態でも昨日とあまり変わらないのであるから、聞き取りが安定してきているのはどうやら本当だ。「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」は昨日よりさらに少しだけ聞き取れているか。

ここ数日で最も変化を感じているのは、始めたばかりの頃の自己採点の精度が悪かったことに気づき始めていること。ここ数日、自分がどこが聞き取れなかったのか、だんだん正確にわかるようになってきている。はじめた当初はもっとあやふやで、「気がする」だった。けれども今は、何箇所聞き取れなかったかが、概ねわかるようになってきた。

昨日と特に何か変わったという感じはしないけれど、はじめた当初からの成長は確実に感じている。つまり、感触は昨日とまったく同じ、だね。とはいえあと4日と考えると、どの程度のレベルまで行けるかは、なんだか想像ついてきた。前半のまとめの想像の通りじゃないかなぁと。つまり「よくて5割⇒常時7割がせいぜい」。ちょっと萎えてくるわね…。

本番十一日目 – 8月29日 朝

本日の自己採点:

昨日とまったくおんなじ。こういうのって「階段状」に伸びるというのが普通なので、まぁこんなもんだろう。また、昨日同様、初期の頃よりはっきりと自己採点が厳しくなってて、前よりヘンに点数低かったりする箇所があるのはそのため。つまり、「あら? ここ、前聞き取れてなかったんだな?」の発見が多くなってきてるのれす。

今日一番の事件と言えばなんといってもこれ。調子に乗り過ぎた。確かにインターネットには英語教材がゴロゴロ転がっているが、非力なインターネット環境だったことを、つい忘れていた。であるから、今日のこの投稿の更新の、大変なこと大変なこと。自己採点の画像のアップロードごときが重労働…。

そんなわけで「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」は今日はとてもではないが聞ける状態にならず。諦めて、ちょうど録画直後だった International TV School YU CAN DO IT! と、地球ドラマチックで効果確認。同じものでないので全然比較にならずやりにくい。

本日でほぼ確定したこと。それは、最初の頃に感じた「音量を上げないと英語は聞き取りにくい」からは確かに抜け出せることが出来た、ということ。しかるにこの教材は、「聞き取れるようにはならないかもしれないが、聞こえるようになる、は本当」。ボリュームを上げればなんとか聞く努力が始められる、だったのだから、随分省エネにはなったもんだ。「聞こえるか聞こえないか」だけでいえば、ボリュームを下げてもあまり聞こえなくならない。

そしてこれと「聞き取れる」は全然別問題。

今日までワタシはテキストは意図的に読まないようにしていて、なおかつ、シーンの内容記憶をしないように心がけていた。「初めての音が聞こえる/聞こえない」に意識を集中させたかったので。これが果たして良いのかどうかは、正直わからない。聞き取れるようになる、のために、「語彙チェック」くらいは目を通す方が効果的な可能性はある。うーん。

本番十二日目 – 8月30日 夕方

昨晩読書で夜更かしで、夕方になった。

本日の自己採点:

もう何日も変化を感じてない。2週間だとこんなもんか。あと2日でこの教材を 100% 聞き取りできるようには、もうならないだろう。「聞こえる」とは別次元の、聞き取りに必要な、特に連語、そして語彙の問題に、収束しつつある。

PocketWifiの速度制限は今日も同じなので、「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」は本日も聞けず。仕方がないので今日も地球ドラマチックで。

ところで、「オートメーション・バカ」購入時の「本題の買い物」は、実はナショナル・ジオグラフィックの DVD。二ヶ国語で英語のもの。「何度も聞き返したい」コンテンツをインターネットだけに頼るとどうしてもこのように環境が不安定になるし、地球ドラマチックも、毎週自分の興味があるものとは限らないから。それと、地球ドラマチックの経験から、ナレーションベースのコンテンツは、映画やドラマと違って、聞き取りやすいはずだ、と思ったから。

なので、繰り返し聞いても飽きずに聞けるものをピンポイントで媒体で持っていたいと思った。4つ買ったが、一つは B747 を解体するヤツ。買う前からわかっていたことだが、英語字幕がないのと、日本語字幕があってないようなものなのは、英語教材としては残念。

「解体 ボーイング747」は、ワタシの実力ではまだ難易度高かった。ナレーションこそ地球ドラマチックの「人類 遥かなる旅路」と同程度なのだが、会話部分が速く、また、発話者の個性がかなり違い、加えて、BGM がワタシにはまだ聞き取りを大きく阻害してしまうために、聞き取り率がかなり低い。繰り返しみれる、映像見てるだけで楽しくて、「何言ってるか全部知りたい」と心の底から思える、いい買い物だ、とは思うものの、教材としては、少なくとも BGM がないニュースなどから始めた方が良いかも。

ところでこれまで言ってこなかったけれど、ワタシ、「読み書きしやすくなる」ことがゴールと言いつつも、本当はもう一つある。それは、滅多に海外の映画・ドラマを好きにならないワタシが、ほぼ唯一繰り返して観るほど大好きな「ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ」を全編聞き取ること。ところがこれ、少なくともワタシにはとてつもなくハードル高い。まったく現時点での教材には相応しくない。たとえばキャメロン(サマー・グロー)は美し過ぎるから、是が非でも聞き取りたいが、そもそも演技が「サイボーグらしい」ので、抑揚がなく高速な喋りだから、かなり難しい。サラ・コナー(レナ・ヘディ)は興奮状態で喋っている時以外は囁くように低い声で喋ることが多いから、これも聞き取りにくい。ジョン・コナー(トーマス・デッカー)は、ゆっくり喋ってくれれば聞き取りやすいはずなのだが、早口だ。声質としては一番聞き取りやすいのはデレク・リース(ブライアン・オースティン・グリーン)かもしれないが、無口で早口だ。てなわけで、最終目標の一つではあるものの、これを聞き取ろうとすることでヒアリングを磨くのは、しばらくはやらない。

本番十三日目 – 8月31日 朝

本日の自己採点:

昨日と変化なし。もう2週間での成果はほとんど確定だな。あと1日で全部聞き取れるわけない。

効能確認は今日は今日も地球ドラマチックと、ナショナル・ジオグラフィックの「解体 ボーイング747」。ともにナレーション部分は始める前よりは聞き取りが楽にはなっている。楽にはなっていても、聞き取り出来ているわけではないけれど、「解体 ボーイング747」はワタシには大変良い教材で、繰り返し聞くことがまったく退屈にならず、毎日聞くのを習慣化出来そうなので、まったくもって楽観的である。ありがとう、8000Hz。それがたとえ「気のせい」でもこの習慣化への道筋を整えてくれたのは、疑いようもなく「8000Hz効果」だ。

なんじゃそりゃ。

本番最終日 – 9月1日 夜

本日の自己採点:

昨日とそんなには変わらない。体調としてはややぼーっとしていたので、前半採点低め。

月が明けたため、イーモバイルの速度制限が解除された。何日かぶりで「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」で効能確認出来た。

あぁ、CD の採点は変哲ないのに、「Fuel Consumption 英語の勉強兼B737とカローラはどっちがお得か」の聞き取りの精度は、数日前より上がってら。ちょっとずつは聞き取れてきてるんだな…。毎日聞いてるとなかなか実感しにくいのだが、ちょっと空けるとわかるということもあるのだな。

さて、当初からの継続目標「30分を2週間」は本日でおしまい。数日前から想像できていた通り、本日に至ってもなお CD を100%聞き取れるには至らず。この成果をどう理解する?

結論

どうまとめましょうかね。まずはこんなだね:

  • この教材で「聞こえるようになる」は本当。
  • 「聞こえるようになる」は、日本語を聞くボリュームと同じエネルギーで、ということで実感を持てる。
  • この教材が「継続しやすい」のも、(これは人によりそうだが)本当。心地よいので。
  • 収録されている会話が「かったるい」のに続けられるのは、奇跡かも。
  • この教材で「聞き取れる」ようになる、はずはない。それは全く別物。
  • 「聞こえる」「聞き取れる」どちらが目標であるにせよ、効果は「劇的」と呼ぶにはほど遠いもの。けれども「少し」楽になる。

前編」では、8000Hz が英語に効くことには懐疑的だったが、今はそうでもない。まったくの嘘でもないと思う。けれどだからといって「黒魔術臭」等々のセールストーク批判のスタンスには変わりはない。そこまでのものではない。

イメージとしてはこんなんじゃないのかな、と思う:

習得曲線のイメージ

ここでちょっと英語教師などに特に酷評される「スピード・ラーニング」の話を。想像だけれど、「8000Hz理論」と似た効果は、「スピード・ラーニング」にはあるんじゃないのかな。「音に慣れる」てことでしょう? 「スピード・ラーニング」がセールストークのままの使い方で聞き取り能力を上げることはないのは、ワタシでもわかるけれど、耳を馴らす効果まで疑うのは違うでしょう。してみるに「奇跡の音8000ヘルツ英語聴覚セラピー《困っている外国人に話しかけたくなる英語編》」は、理論が正しいとするならば、「スピードラーニングで得られる効果により早く辿り着く」ための教材、となるのでは。

あと、やってる最中は知らずにやっていたのだが、私のように自己採点しながら学習することって、効果的らしいよ。「自己効力感」てヤツ。

さて。「一言でこの教材の評価を」を試みてみる。こんなだろうね:

英語教材の完成度としては疑問符が相当つくが、自己評価が「聞こえる/聞こえない」がやっとの初級者には、そう悪いものには思わない

もっと言うなら、「これを唯一で絶対の決定打」と考えない限りにおいては、つまり、「ネクスト・ステップについて予め想定出来る」限りにおいては、全然悪い買い物じゃないと思う。それがたとえ「最良」「最善」でないとしても、である。

同じ「高周波理論」に基づく「1日5分「高周波」英語トレーニング【CD付】」(著者は別人)はワタシはトライしてないんでわからないけれど、同じ評価になるのだろうね。ただしこっちの方が「一点突破主義」でなさそうなぶん、ひょっとしたら「奇跡の音8000ヘルツ英語聴覚セラピー《困っている外国人に話しかけたくなる英語編》」より良い可能性はあると思う。

ワタシの今後(当面)のプラン

自己採点シートがまだ数日分残っているので、埋まるまでは続けるつもり。せっかく習慣付いたのにやめるのもったいないから。

それと、ナショナル・ジオグラフィックをせっかく収集したので、これも毎日聞く。DVD や Blu-ray になってると、PC でなく専用プレイヤーで視聴出来るメリットというのがあって、「チャプターリピート」や「倍速再生」など色々駆使出来て良い。YouTube など PC で使えるプレイヤーはやはり機能が少な過ぎる。

これとは別に、「さらなるステップアップのためのメソッド」を、どこかのタイミングで始める予定。具体的には第一候補がシャドーイング、第二候補がディクテーション。どんなでもかなり継続しないといけないヘヴィなものであることは理解してて、どんだけかかるか想像出来てない。半年とかで何かしら効果出て欲しいとは思うが、1年かかるかもしれないし。まぁそんな気長な計画、です。