よんじゃいややん

そして立て続けかよ、と。

橘やら響けユーフォニアム関係の動画をあさってたら、フラッシュモブ動画をレコメンドされた。

身ひとつで成立するダンスパフォーマンスや合唱のフラッシュモブと違って、楽器演奏を伴うフラッシュモブ「動画」てのは、とてつもなく難しいと思うわけよね。チューバなんか、ハードケースを持って歩いてるだけで目立ってしょうがないわけで。

そもそも「フラッシュモブ動画」を「視聴して楽しむ」という行為そのものもなかなかに難しいものがあって、すなわちぼくらは「フラッシュモブである」ことを知った上でしか視聴出来ないわけだから、現場に居合わせてこそ獲得出来る感動は、もとより得られるはずがないわけだ。だから「フラッシュモブ動画」を楽しめるには、以下のどちらかが不可欠なわけだ:

  • 視聴者が共犯意識を持つことが出来る
  • フラッシュモブであることをわかって視聴してもなお驚ける仕掛けがある

すなわち、こうした動画は「偶然」は生み出せない。つまり現場に偶然居合わせた人がカメラを向けたところで、現場に居合わせた人が受けた感動を、その動画を視聴する視聴者が共有することは絶対に出来ない。

要するに、野外コンサートの、「演奏」という行為そのものの完成度だけで存分に感動を得られるのとは違って、フラッシュモブ動画は「映像作品として成立」していない限りは、特に「共犯意識」を持たせるような動画になんかなるわけはなく、だから「映像作品としての完成度」を高めようとしていない漠然とした撮影のフラッシュモブ動画は、つまりは「面白くない」。シンプルに「現場に居合わせたらきっとほっこりしたであろうなぁ」というあまり明確ではない羨望を抱ける程度のことである。まぁ簡単に言えば、プロデューサー、監督、音響監督、編集監督といったプロ並みの体制を有し、「意図を持って設計(脚本・演出)」し、演者がそれに従い、そして「観客の反応を意図を持って撮影」し、そして「まともな編集をする」ことが必要だ、てことだ。

「身ひとつで成立するダンスパフォーマンスや合唱のフラッシュモブ」ですらそれらは言えなくはないけれど、ただこの場合は偶然居合わせた人が撮影した動画でも存分に楽しめるだろう。けれども楽器演奏を伴うフラッシュモブでは「唐突感を感じさせることそのものが難しい」ので、より「映像作品としての完成度」に大きく依存するわけである。

なんてことを考えつついくつか視聴したのだが、やはりね、って感じ。「うー、現場に居合わせない限り、これはおもしろくはねーぞ」なのがほとんど。けどね:

やっほーい。たーのしいいいいい。なんか泣けませぬか?

まぁプロが作った作品ですからの。ごろごろ転がってる素人のものとはもとより較べるべくもなし、てことかもね。


昨日のでなんか書き忘れたなぁと思ったことがあったんだけれど、なんだっけかなぁ?

あぁ、思い出した。「いまさらな名作少女マンガのアニメ化」の話だ。

「いまだからこそ」てのがあるのではないのかな、てのがね、最近凄く思うわけだよ。あーいう線の細い繊細で美しい作画は、昔のアニメーションでは本当に再現が難しかった、てことだと思う。「地球へ…」が1980年代に作れたんだから、と思うだろうけれど、あれは映画だったから出来たのだとも言える。時間的制約の多いテレビシリーズであの「美少年・美少女」は、きっと大変だっただろうねと。けど今はとにかく技術力が非常に上がっているので、もはやあーした繊細な作画も、非常に再現率の高いアニメーション化が可能になってる。そう、今の技術で蘇る「動く」エドガー、観たいよ。動くラグトーリンもね。


京都橘の動画はどれも楽しめるのだけれども、今のところマイベストはこれ:

ほかにも、これのほんの少し前のブルーメの丘の午前(雨天のために屋内演奏になったやつ)も好きだ。どちらも録音環境がよく、演奏そのものを楽しめる上にマーチングドリルなのでダンスパフォーマンスも楽しめる、てことかなぁと思うのもあるのだけれど、ひょっとしたら(名物)田中先生の退職に伴って新たに顧問になった兼城さんの指導で演奏力も上がってる? けど一ヶ月未満でそんなに変わるもんかね? 新2、3年生だけだから、てのもあるのかしらね、いずれにしても、どちらも完成度が高いんじゃないかしらと思う。

マーチング、マーチングドリル、座奏の楽しみ方って、それぞれ違って面白いよなぁ、と思う。マーチングドリルと座奏はともに、「演奏を聞かせるための場所」ならばまさしく「合奏」(ハーモニー全体)を楽しむものであろう。ただし、ホールなんぞの演奏だと一般人の撮影では録音環境が厳しいところがあって、これは現場でみないとダメだろうなぁ、てのもあるけど。対して、マーチングの「音楽の楽しみ方」としては、これは「隊列のどの位置でみているか、きいているか」によって全然聴こえ方が違うことそのものが面白い。つまりね、「中の人」にならないと聞こえないはずの聞こえ方を楽しむことが出来るわけね。座奏をホールで鑑賞するのに、「ユーフォニアムの音だけ聞きたい」と思っても、これは(特に音楽素人には)かなり難しい。けれどもマーチングならば、ユーフォの子たちが目の前を通ればユーフォの音がよく聞こえるし、パーカス部隊が目の前を通ればノリノリになれるし…云々。そういう意味で、音もよく素材も多いマーチングで好きなのが、去年末のローズパレード出場国内記念パレードかなぁ。アーケードでのパレードって、演奏者も撮影者も大変だそうなのだけれど、動画では一番面白い気がする。

田中先生の退職なのだが、京都橘動画を色々見続けてれば、田中先生がどんな人なのかはすぐわかるだろう(スラムダンクの安斎先生を思い出す人が多いんじゃないかしら)。定年退職とのことなのだけれど、現在は豊中市立第一中学校にお勤めのようだ。どゆこと? なんにせよちぃと寂しい。