(7)のそのまま続きというか、別種のイジメというか。
(7)である程度イジメたあと、「横浜もやってみよう」と思って。ほんとただ思っただけで、こうしてネタにするつもりはなかったんだけれども。
あぅ…。(1)、(2)に追記しといたけど、「海水面」のデータが -9999.0 で統一されてないのね。0.0 の海水面がいた。
別に統一されてれば海水面 0.0 でもいいんだけど、「-9999.0 だったりそうでなかったりする」と、扱いに困るわけね。データには負の標高がもともと含まれてて、これはジオイド面より低いことを示すんだとは思うけれど、どんなであれ、海水「面」はフラットでないと困る。海水「面」なのだから、海水「面」に起伏があっちゃおかしいじゃないか。なので
1 # -*- coding: utf-8 -*-
2 import numpy as np
3 # ...
4 elevs[np.isnan(elevs)] = np.nanmin(elevs)
としてたわけである。
仕方がないので変換時に「海水面」「データなし」であるかどうかをみることにして、この場合は標高値はみないことにした。
1 while True:
2 line = fi.readline()
3 if "gml:tupleList" in line:
4 break
5 ty, d = line.strip().split(",")
6 # we need to treat sea level always NaN rather than zero.
7 if ty.decode('cp932') in (u'データなし', u'海水面'):
8 d = '-9999.'
9 # invalid data are stored with '-9999.0'
10 if float(d) == -9999.0:
11 d = u'NaN'
12 _elevs_raw.append(float(d))
「枯れ」させるためには、バリエーションこなすのがセオリー、のいわゆる一つの証明、でした。本質的な違いがないはずのものでも、やってみると妙な変種にお目にかかるなんて、まぁ良くあるこってす。
さて、「横浜」。せっかくだし。なかなか面白いことに、(7)の『「1:25,000デジタル標高地形図「東京都区部」」がカバーしている領域を全部網羅しつつ、「大田区民が喜ぶ」もの』と同じ経度で同じ緯度差の、この南端を北端とする矩形、これが「ちょうど横浜にいい」範囲になるのね。つまりこういうこと:
1 # -*- coding: utf-8 -*-
2 import numpy as np
3 import converted_loader
4
5 d = 35.771865 - 35.536068
6 X, Y, elevs = converted_loader.load_range(
7 35.536068 - d, 139.572353,
8 35.771865 - d, 139.890633)
9
10 # ...
なにゆえに「ちょうどいい」かと言えば、「横浜も坂だらけだよねぇ」てことをワタシは言いたいんであって、その目的に絶妙な範囲なの。こうなりました:
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海ばっかりだ。けど、西端はワタシとしてはまさにここら辺で切りたかったわけで。
北西に流れてる川は鶴見川。いっとき「日本一汚い川」の栄誉を授かった川。思うんだけど、ワタシが小中学生だった頃とは違って東京の川も随分綺麗になったこともあって、全般的に横浜・川崎の川の方が汚いと思う。クラゲの大量発生率も異様に高いしな。
をっと。地形の話。北西端の、鶴見川沿いの三角形のヘンな地形は日産スタジアムね。一番南は横須賀。米軍施設がちょっとかかるくらいで、横須賀全体は収まってない。東南にある岬は富津岬ね。結構近いのよね、千葉県。
川崎の中心部はほんと真っ平。鶴見川を越えると途端に起伏が激しくなる…のは、例によって国道1号(京浜第二)を走ってるとわかります。でね。鶴見駅から、京急の生麦駅あたりって、鉄道の超密集地帯で、線路の数を数えてみると、京急含めて10本あります(5つの路線、かな?)。だからとにかく生麦駅とか花月園前駅付近の踏切は、まぁとにかく開かない開かない。なんでここで集中するのかこれまであんまり考えたことなかったんだけど、この地形みると良くわかるね。横浜に向かうなら、ここ通す以外合理的なルートはないわ。
子供の頃、仙台に住んでいた私が想像した横浜は、当然「どこまでいっても平地」でしかなかったんだけど、鶴見に住んですぐに理解した。横浜に平地は少ない。東京だと、坂や崖は割と高いビルの陰になっててわからないことが多いんだけど、横浜は結構、崖地形が剥き出しなんだよね。という、生活した実感そのまんまの地形図ですな。
埋め立て地がなかったら、横浜ってほとんどが丘陵地なのよね。少ない平地は、横浜中心部では商業地帯で、人が住むのは結構な急傾斜地とかだったりもして、ワタシなんかはヒヤヒヤしてしまう。なんでそんなとこに住むの、て思っちゃう。でもこの崖の多さが、景色の良さにもなってたりするわけな。京急生麦駅が最寄の、「岸谷」てとこに住んでたんだけど、ほんと一気に高度上げるのね。だから見下ろせるちょっとした開けた場所があれば、結構な絶景でな。そういえば毎日ベイブリッジみて通勤してたんだった。今考えると、なんて贅沢だったんだろう。
横浜駅がどの辺かはわかりますか? 川がヘンなことになってる付近ね。ワタシも初めて知ったわ、こんなことになってたのね。なんだろこれ? 運河か? その南にある丘が野毛山のある丘で、それを超えた先の川が、大岡川。大岡川の河口に桜木町駅(かつての横浜駅)。大岡川のさらに南の川はなに川? その川の南の丘が、色々と観光名所ね。外国人墓地とか。
いやはや、ほんとに崖多いな。知ってはいたけれど、地形図でこうやってはっきりわかるほど「崖だらけ」なのね。
ちなみに。ついでのイジメ。さらに南に同じだけ南下すると三浦半島なわけなんだけれど、三浦半島ではなくて千葉県側(房総半島)に注目:
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こういうデータ欠落もあるのか。四角い欠落でないので、セルとしては存在していて、一部計測値があって、「データなし」になってる、ということ。この欠落部分の形状って、レーザ測量の影かなんかなのかね?
日本全国津々浦々、ってわけにはいかないのねぇ…。DEM10 だったらデータあり、とかってないかな? それだとありがたいんだけど…。
なお、三浦半島が平地じゃないことは誰でも知ってるわけで、特に意外性はないよね。