「自分の目的に合う」、がまずはすべて、でしょ?

「自分の目的に合う」ことと「出来」の話は別物でしょうにを書いたついでに。

まぁワタシは何度もこれに近いことを書いてるし、これからもことあるたびに言い続けようとは思う。

勘違いされては困るんで先に。これから「Python のこと」を書くけれど、「自分の目的に合う」ことと「出来」の話は別物でしょうにで指摘した「バカ論述」とは直接の関係はない。とはいえ、これはダイレクトにこれの連想ゲームであって、「よくみかけるバカ論述」に関係している。

その「バカ論述」について直接的な非難をしているのは「Now is better than never. Although never is often better than *right* now.」の解釈。昨日だったかに「はてぶ数で色々わかる」なんてことを書いてるが、その「バカ論述」に飛び付く人々が異常に多いことがそれでわかってしまうので、これをワタシは非常に警戒している。

ほかの話でも書いたことがあるけれど、「X vs Y」という対決構図でしか物事をはかれない人々と言うのは、「ネット上での観察においてもどうやら多いらしいとわかる」し、そもそも身近にだってかなり多い。これはもちろん「わかりやすいから」ということもあるんだろうけれど、そうではなく、勝ち負け感情に結び付けてしまうんだろうね、まぁわからんでもないけれど。誰だって「別に勝たなくてもいいけど負けたくはない」でしょーからね。

まぁ本当は何度かはっきり書いたことはあるんだけれど、「Python を主食にしてるサイト」として、定期的に「オレ的になんで Python なのか」は、目に触れる形で何度でも言っとくのがいいんだろうなと思って。というのもさ、「前に書いたもの、そんなには読まれてないから」。

ワタシが Python を「選んだ」のは、これは「なんとなく」では全然なくて、実際はとあるプロジェクトで「業務でスクリプティングを使うとすれば何が良いのか?」についての評価を実際に任され、いくつかのスクリプト言語を実際に数ヶ月かけて「手を動かして」評価した結果である。当たり前だが「ワタシが関与したプロジェクトにとって」である。そしてワタシがバカ論述、と呼ぶのは、この観点が欠落したときだ。「ワレワレの目的に合わない素晴らしいもの」は素晴らしいのか? こんな当たり前のことがすっぽり抜け落ちるバカが多い、ということである。

そのプロジェクトにおいて、すなわち「ワレワレの目的的に」重要だったのはそう、「科学技術系に長ける」ことであった。つまり、ワタシが参加したプロジェクトでは NumPy/SciPy こそが「キラーアプリケーション」だったのである。これがもし「WEB アプリケーション」主体のプロジェクトであったならば、確実に Ruby (on Rails) を選んでいたことだろう。そしてそこでワタシ(たち)は Ruby を「選ばなかった」ので、めでたくワタシは今でも Python ユーザだ、そのプロジェクトを離れた今でも。

だからワタシには Python が Ruby に勝って欲しい理由も別にないし、Ruby が嫌いで Python を選んでるわけでもない。ほんとは少しだけあるんだけどね、Ruby がイヤな理由。大した話じゃないけど、「Windows に冷たい」とかほんとしょーもないこと。あげれば結構あるけど言わない。そんな話価値ないもん。実際「優位性」なんて話をしだしたらさ、Python vs Ruby なんてのは、「言語としての設計の綺麗さ」なんか、全然比較にならんよ、圧倒的に Ruby が「美しい」。当然「ワタシたち」にとって、「言語設計の美しさ」なんてのは優先度低かったわけ。NumPy/SciPy で得られるものから考えれば。

要するに何かを選択するなんてのは、「自分達のニーズに合うかどうか」が最優先であるべき…つーかそれしかないでしょ、と思うんだけれど、…あーもういつまでもモザイクかけててもしょーがないんで、はっきり言っとくわ、これがそのバカ。何がバカかって、読みゃぁわかると思うんだけどなぁ…、そうじゃないみたいなんでコワいわ。なんでこやつ、「Python てすげーんだぜ」論を The Zen of Python で展開しとるんだ? ちげっての。あれは「Python の優位性」論じゃねーの。こういう「品位を貶める」ような真似はやめなさい。

ちなみに例にしているスニペットも非常に質が悪い。本来もっと微妙で絶妙な悪い例は書けるはずである。こんな誰一人書かないような「悪い例」を書かれてもねぇ…。まぁ…元が英文らしいんだけど、そしてリンク切れらしいんだけど、「総スカン喰らったので取り下げられた」と考える方が自然なんだがねぇ? なんでまたこんなダメなもん翻訳した?

てことまで読んだ上で 「Now is better than never. Although never is often better than *right* now.」の解釈 を読み直してもらうとオモロイかもね。攻撃対象はもちろん同じもの。