遅ればせながら過ぎやしないか、なんてツッコミは入れないこと。こういうのに気付くのが遅れるヒトなのです、ワタシは。
いきなり追記からですまん。最初に後ろのほうの「2022-03-15 17時追記」から読んでもらえると助かる。
もっと整理できてから書く手もあるんだけれど、「導入の苦労は人柱だけの特権」部分は熱いうちに、と思ったんで、ざっくりとした話だけでもと思って。
まずざっくりと前提の話:
- Docker と WSL は、一応テクノロジーとしては各々独立したもの
- Docker for Windows は WSL を利用する形で「linux 対応コンテナ」を成立させている
- ともに大きく言えば「仮想化」のテクノロジだが、コンセプトがかなり違う
- WSL は従来型の仮想化にほぼ同じコンセプト、VirtualBox みたいなの相当
- Docker は同じ仮想化でも、たとえば Python でいうところの venv/virtialenv/pyvenv のような「隔離環境」がキーコンセプト
説明はちょっと雑かもしんない。間違いなく個々の公式に出向いたほうがいい。遥かに簡単に理解できるハズ。Docker は、Windows のケースだと、「Windows の中と、WSL 上に乗っけた linux (ubuntu など)の両方に小さな独立国を作る」。「オールインワンほにゃらら」というプロジェクトはこれまで経験してきたかな? Docker が担うのは、いわばそれ。個々人の実行環境に振り回されないアプリケーション開発の助けになるもの、てこと。「動作に必要なものを全部同梱して配布する」ということをしたい、がためのものね。
Docker Desktop for Windows の導入の際の問題、というのがね、実に「知ってれば避けられる」の。簡単だよ、
これだけ。
Docker が「クロスプラットフォームで動作するアプリケーション」を主目的としてるから「WSL 必須」なんてことになっちゃってるんだけど、本当はこれ、おかしいんだよね。コンテナの概念は、何も「クロスプラットフォームねばならぬ」ものに限定されるもんでもないわけだよ、Windows どうしですら「ランタイム環境問題」というのは付き物なのだから。けどとにかく Docker Desktop は WSL2 が動作していることを大前提としてしまう、てこと。そして、それだけならまぁいいんだけれど、「WSL が動作していない状態で先に Docker Desktop を起動してしまうと「docker desktop is shutting down.」から二度と抜け出せなくなる」というのが問題なのよ、しかもこいつ、オートスタートアップの常駐ものだもんで、再起動だののたんびにこのエラーを食らい続け、「手順6を終わらせても解消しない」。これは作りが悪いね。
異常状態を永続化してしまうという、まぁかなり基礎的なチョンボだし、ちゃんと issue には上がってるので、きっとすぐに修正されるだろうと思う。けれども「Docker Desktop は WSL が予め動作していることを前提としている」ということだけだからさ、ワタシのあとで興味を持って入れてみたい人にとっては、そのバグは「どうでもいい」ものであるハズ。「手順6を終わらせても解消しない」については、ワタシの場合は
- c:/Users/hhsprings/AppData/Roaming/Docker
- c:/Users/hhsprings/AppData/Roaming/Docker Desktop
というフォルダを消すだけ。消して起動しなおすなりマシン再起動で Docker Desktop は動作するようになる。措置も簡単だけれど、そもそも WSL の導入には個々のステップが時間がかかるものもある上に、本当に何度も再起動を要求されるヘビィなタスクなので、こういう「些細な手間」だって、ない方が良いでしょそら。
Docker Desktop については、ワタシはまだ getting-started がちゃんと動作するのを確認しただけ。さっと終わらせたんでちょっと記憶あいまいだけど、たぶん Windows 側のだけを動かしたんだと思う。node.js による http サーバの例で、Docker 自身のドキュメントをサービスするもの、だったかと思う。コンテナ内のポート80とホストのポート80をマッピングして、ブラウザで…、みたいな。まだ Docker についてはあんましピンと来てないがとにかく「これから Docker れるぜ」の環境は出来上がった模様、として、そちらについては一旦満足しておいた。これから、こっちは。
なお、細かいことを言えば、(今回の主題でもある)「Docker はいいからとにかくまずは WSL だぜ、きゃーすてきー、使い倒したるぜっ」のつもりなら、「好き勝手に汚し続けたい環境とクリーンな環境を分けておきたい」のために distro の複製を先に考えといたほうがいい。export でコピー、import で取り込んで、distribute で実行ね、ドキュメント参照。最初にやっといたらいいんじゃないかな。あとからクリーン環境を作り直すのが若干面倒なのよ、Microsoft Store の振る舞いの関係で。(「インストール」ボタンが完了しないように見える変な事象がある。)
今気づいた。人によっては凄まじく大事な話。
WSL 導入によって「c:/Windows/System32/bash.exe
」が組み込まれてしまうので、ほかの似非 Unix、たとえばワタシの場合なら MSYS を使っているユーザは注意。たぶん Git for Windows ユーザもそうじゃないかな。これ、wsl コマンドを使って bash を起動しようとするのと同じことをするものみたい。いらねー…。まぁ各々考えてくれ。人によって色々事情は違うと思うので。てことだが、そもそもコマンドプロンプト内だと PATH の指定を無視してこの WSL 版 bash.exe を優先するみたいなので、おそらく「望みの(ワタシのケースでは MSYS の)bash.exe を起動したいならフルパスで」かなぁと思う。
「コンテナの概念と「クロスプラットフォーム」の概念は本来独立じゃない?」と思うので、Docker が WSL に必須依存してしまうこと自体は、ワタシはちょっと理解できないところはあるんだけれど、けどね、怪我の功名よ、「あ、なんかこの WSL/WSL2、ぱねー」。
ひとつ前のネタでちょっと書いたけれど、もしも SFU (Windows Services for UNIX) の経験があるなら是非あれを思い出してもらいたい。仮想化は仮想化でも、VirtualBox などで「フルスペックで動作させようとするエミュレーション」よりは、エンドユーザ目線だと SFU に近い体験となる。あの「すさまじく使いにくかった SFU が強烈に使いやすくなったもの」と言えば、きっとわかる人はわかる。あるいは MSYS や cygwin を日常使いしてるなら、「msys や cygwin のようなまがい物でなくちゃんと本物の Unix が MSYS や cygwin と大差ない使用感で使える」と思ってくれればいい。Unix にある Windows エミュレーションの wine とか知ってるなら、それを思い浮かべてもいい、使用感はそれに近い。いや、見てもらったほうがいいと思うんだよね:
WSL2 内でのネットワークの問題と、wsl.exe と MSYS の相性の問題はあったけれどね、でも、もうね…、ほんとに「完全な Windows 上で完全な linux がかなりシームレスに動いてる」のってっばさ、かなり格別よ、とてつもなく快適。ファイルのやり取りとかもかなりシームレスに出来るし、クリップボード連携も直観通りに振る舞い、通信も VirtualBox 等の経験があれば、それと変わらない。うん、ステキ。
しかもねこいつ、
linux 上で Windows コマンドが動く
のよ。だからね、たとえば ffmpeg の Unix と Windows での振る舞いの違い、なんてのを、同じ ubuntu.exe のコンソールで確認出来たりするんだ、これが。
一番最後の絵の wsl -d での起動は専用ランチャからの起動とちょっと振る舞いが違って少し気持ち悪いところもあるんだけれど、まぁそういうもんだと思っておこう。ただ… wsl –export で例えばある時点でのスナップショットをとるとかしたものを wsl --import
して使う、みたいなシナリオではランチャがないので wsl -d
(wsl --distribute
) しか選べなくてね、これはちょっとだけ不満かも。
Windows 11 にしないと linux の GUI が WSL2 では使えないので「フルスペックのデスクトップ linux」を乗っけた VirtualBox (など)との比較は単純には出来ないけれど、けどね、ほんっと「二つの OS が動いてる」なんて風には全然思わないほど軽い。正直 MSYS 使ってんのと全然変わらない。こいつぁいいオモチャを見つけたわい。というかさ、昔を知ってると、ほんと、いい時代になった、と思う。ありがとう、Microsoft さま、て感じ。
GUI が使えないとはいえ「それ以外は完全な linux」なので、たとえば「linux でしか動かない or Windows では構築が超絶にめんどい」もので遊び放題、てことだよ。今でも「Windows では出来ない」とか「Windows でだけ面倒くさい」という OSS なんぞ山ほどあるわけよ、そういうときに、かなりこれは救世主なわけね。あとワタシみたいにちょっと OSS に関与してたりすると、まさに「クロスプラットフォームで動作するもの」を書く必要がある機会が多いので、その時の検証や開発の手助けにもなる、てことね。Docker はそのもう一歩先。そちらは「実ホストと実 WSL ディストリビューションを汚さないサンドボックス環境で開発する」ためのもの。なので当然すさまじくありがたいものだよ、だけど、ワタシとしてはまず「WSL さんありがとう」てことね。
色んなこと出来るよね。C/S アーキテクチャを採用しているものの「サーバ側」が Unix 系でしかちゃんと保守されてない、なんてのは非常に多くて、ワタシが最近やったやつなら Redis の Spatial 拡張がそうね。うん、これ、あとでやってみようかなぁ。
「PHP for Windows」なんてのは「トラウマになる体験」のワースト5には入るんじゃないかというほどヒドいものだが、こういのも、linux でやるなら驚くほどシンプルだったりするでしょ。地図サーバとかの類もそうね、Windows と Unix とでは簡単さに天と地ほどの違いがある。cartopy ネタを始めとする GIS ネタや気象ネタなどの学問分野系にはたぶんそんなのが大量にある。GDAL/OGS 関連のものとか PostGIS、あるいは機械学習系なんぞも、「Windows でも出来ないことはないが linux の方が一億倍は楽」なんてのはとても多い。
あ…危ない、一つ言い忘れた。「本物の linux」と言ってきたけど、むろん厳密には違うよ。一つ層が余計に挟まってるのは話として無視できるとしても、「ブート・ログイン」の一連はまったくノリが違う。最初にユーザを作ったあとは、そのユーザでの「認証不要の自動ログイン」になるので。ここは「本当の本物 Unix」とは違うので一応注意ね。けど MSYS/cygwin に比較すればはるかに何億倍も「ちゃんと本物」であることには違いはないわけだけれども。
ところで、「遅ればせた理由」なんだけれど、当然積極的に情報収集してこなかったワタシ自身の問題もあるにはあるけれど、多くの人にとっても共通なのは、これが「Windows 10 からのテクノロジであること」てことね。Windows 10 より前は、こんなのはなかったので、VirtualBox などに頼るしかなかった。いっとき太っ腹に VirtualPC を無料で使えるようにしていた Microsoft も、「プロフェッショナルエディション限定」みたいなことをしてたので、実質 VirtualBox 一択の時代が長かったかと思う。
「Windows 10 ではまだ linux GUI が使えないので」というのと、Microsoft 管理外のディストリビューションを使いたい場合などもあるので、WSL の存在が VirtualBox の意義をなくすことにはならないけれど、でもね、ワタシ個人としては割と「Unix 依存の 70~80% くらいは CUI だけでまかなえるツールに収まる」の。だからワタシの場合は、VirtualBox を使う機会は格段に減ると思う。
いつもながら気づくの遅くて人生損してたなー、とは思う、けど、「人生これからだ、たぶん」。
ところで、Docker を使うにあたって、Windows をホストにする場合はこんな感じで「Windows と linux の二つに対応」するようなコンテナを作れる、てことになるわけだよねきっと、けど、そういやぁホストが Unix や Mac の場合って、Windows 環境はどうなるんだ? そうのはなさそうに思うんだけど…。そういうのがあるなら、もっと .net とかも積極的に使えるんだけどねぇ。どうなんだろ? さすがに linux 実機を作ろうとは思わんからなぁ、ましてや WSL を手にした今、「デュアルブート」なんて、選択肢に入れないよね、もはやマインドセットとして。
Windows をサポートしたいアプリケーションを開発する場合は Windows を買え、なのか…、ということではないよね。そういや GitHub は Windows 環境のテストもやってたわ。クラウドで、てことか、そういうことか、なるほど。
話それたけれど、えとね、導入はちょっとだけ時間がかかるけれど、得るものが非常に大きいので、
今すぐに、そしてハッピーになろう
と強く強く言っておこうと思う。で、そうなってくれば、「MSYS だぁ cygwin だぁ」という話は、ワタシのサイトではトーンダウンしてくことになろうと思う。MSYS には MSYS の責務はずっとワタシにはあり続けるけれど、少なくとも「Unix では」の例として MSYS や cygwin を登場させる必要はなくなる。本物をいつでも使えるんだもの。
2022-03-15 17時追記:
思わぬ副作用が、もしかしたら色々出てくるかもしれない。ひとつ前の追記で書いた。
てなわけなので、直前に「強くオススメ」したその口が乾かないうちに、「ちょっとこの件があるので、慎重に考えてね」と言っとく。ワタシはこのままなんとか WSL を使う生活をしていくけど、そのノウハウは、今後ちょいちょい書いてくつもり。もしこわいなら、あなたはそれを待ってるといい。最低でも Microsoft 自身によるこの FAQ は読むべきね(VirtualBox などとの共存の話)。
2022-03-17 19時30分追記:
Windows 11 に乗り換えた。「ほっといても時間がかかる環境(ネットワーク的にも PC スペック的にも)」だったのに加えて、昨晩だよ、だから東京23区の大規模停電に「当たった」の、河の向こうは電気灯いてるじゃん、とうらめしかった。3時間止まってしまった。乗り換え終了は今日の夕方ようやく。
Microsoft による説明に従って WSL2 を更新して、イザ、と。gedit も動くし、入れれば ffplay も動くし、てことなのだけれど、やっぱね、色々あるわ。エディタ関係なら、フォント関係と dbus 関係(?)で何かしら、ffplay は最初は SDL 関係だったが、数回起動してたら起動し、でも「動いたり動かなかったり」て感じ。不安定みたい。どういう仕組みなんだろうかこれ。X Windows System ベースなんだとしたら X サーバが動いてる前提で動作するわけだが、X が動いてるのか、それとも「X 相当のエミュレーション」が動いているのか? 後者だとすると今の不安定な感じもなんとなくわからんでもないかなと思う。
ひとつ前の追記と同じような感じになるかなぁ。正直ワタシはかなり気に入っているけれど、まだとても万人に薦められるもんではないなぁと。少なくとも色んな環境を渡り歩いた経験が豊富な人にはオススメるけど、それ以外の人は、最低でも「覚悟して使ってね」て感じ。最低でも「WSL/WSL2 が何をしているのか」の理解がまったく出来ない人は手を出してはいけない。何か問題があった場合に、そうした人は絶対に問題の切り分けが出来ないから。(なのでそういう人はいろんなコミュニティに迷惑をかけるかもしれない。Windows, Linux, WSL/WSL2 と各 OSS の「全部」にね。)
それでも、だ。ワタシはやっぱしこの WSL/WSL2、特に WSL2 on Windows 11 は素晴らしいと思っているのでね、日常使いするつもりだよ。(ワタシの場合特に「クロスプラットフォームなプログラム」を書く機会が多いので、そのための検証環境としてかなりあてに出来るの。)
おそらく、Docker に期待するのと似た、「ある特定の OSS アプリケーション専用の WSL2 インスタンス」みたいな考え方、つまり –export した distro を「別名で都度 import してそこに特定のアプリケーションを入れる」的な使い方を許容出来る人であれば、結構快適に使えるんじゃないかな。「この一つの ubuntu で何でも出来る」みたいな期待の仕方をしちゃうとガッカリするけれど、「使いたい OSS があって、たまたまちゃんと動く組み合わせがある」という期待の仕方だけでいいなら、「この ubuntu では動かないものがたくさんある」という事実はどうでもいいわけでしょ、だって。(先にほかの場所で Redis を例にした。そういうやつ。)
2022-03-22 14時追記:
寒い…、3月下旬に真冬並みって…。札幌に住んでた頃をちょっと思い出してるよ。
wsl.exe なんだけど、--help
の出力でちょっと困ってた。less が使えないんだもん。これは「utf-16 で出力してる」から。Windows ネイティブのメモ帳も utf-16 は正しく扱えない。なので、たとえばリダイレクトでファイルに書き出してから例えば以下 Python スクリプトで変換:
1 import io
2 d = io.open("wsl-help.txt", encoding="utf-16le").read()
3 io.open("wsl-help.txt", "w", encoding="utf-8").write(d)
ちょっとこれは不便よね。というか最近の less が utf 系なら解釈出来る、みたいなことってあるのかな、ないのかな。それ次第よね。
毎度これをやるのは馬鹿げてるので、(本日時点での)wsl –help の内容をはりつけとく:
1 Copyright (c) Microsoft Corporation. All rights reserved.
2
3
4
5 使用法: wsl.exe [Argument] [Options...] [CommandLine]
6
7
8
9 Linux バイナリを実行するための引数:
10
11
12
13 コマンドラインを指定しない場合、wsl.exe によって既定のシェルが起動されます。
14
15
16
17 --exec, -e <CommandLine>
18
19 既定の Linux シェルを使用せずに、指定したコマンドを実行します。
20
21
22
23 --
24
25 残りのコマンドラインをそのまま渡します。
26
27
28
29 オプション:
30
31 --cd <Directory>
32
33 指定したディレクトリを現在の作業ディレクトリとして設定します。
34
35 ~ が使用されている場合は、Linux ユーザーのホーム パスが使用されます。パスの先頭が
36
37 / の場合は、Linux の絶対パスと解釈されます。
38
39 それ以外の場合、この値は Windows の絶対パスである必要があります。
40
41
42
43 --distribution, -d <Distro>
44
45 指定したディストリビューションを実行します。
46
47
48
49 --user, -u <UserName>
50
51 指定されたユーザーとして実行します。
52
53
54
55 --system
56
57 システム配布用のシェルを起動します。
58
59
60
61 Windows Subsystem for Linux を管理するための引数:
62
63
64
65 --help
66
67 使用状況に関する情報を表示します。
68
69
70
71 --install [Options]
72
73 追加の Windows Subsystem for Linux ディストリビューションをインストールします。
74
75 有効なディストリビューションの一覧を表示するには、'wsl--list--online' を使用してください。
76
77
78
79 オプション:
80
81 --distribution, -d [Argument]
82
83 名前を指定して配布をダウンロードしてインストールします。
84
85
86
87 引数:
88
89 有効なディストリビューション名 (大文字と小文字は区別されません)。
90
91
92
93 例:
94
95 wsl --install -d Ubuntu
96
97 wsl --install --distribution Debian
98
99
100
101 --set-default-version <Version>
102
103 新しいディストリビューションの既定のインストールバージョンを変更します。
104
105
106
107 --shutdown
108
109 直ちに、すべての実行中の配布および WSL 2
110
111 軽快なユーティリティの仮想マシンを終了します。
112
113
114
115 --status
116
117 Linux の Windows Subsystem の状態を示します。
118
119
120
121 --update [Options]
122
123 オプションが指定されていない場合、WSL 2 カーネルは更新され
124
125 、最新バージョンになります。
126
127
128
129 オプション:
130
131 --rollback
132
133 以前のバージョンの WSL 2 カーネルに戻します。
134
135
136
137 Windows Subsystem for Linuxのディストリビューションを管理するための引数:
138
139
140
141 --export <Distro> <FileName>
142
143 ディストリビューションを tar ファイルにエクスポートします。
144
145 ファイル名には、標準出力として - を使用できます。
146
147
148
149 --import <Distro> <InstallLocation> <FileName> [Options]
150
151 指定した tar ファイルを新しいディストリビューションとしてインポートします。
152
153 ファイル名には標準入力として - を使用できます。
154
155
156
157 オプション:
158
159 --version <Version>
160
161 新しいディストリビューションに使用するバージョンを指定します。
162
163
164
165 --list, -l [Options]
166
167 ディストリビューションの一覧を表示します。
168
169
170
171 オプション:
172
173 --all
174
175 現在インストールまたはアンインストールされているディストリビューションを含む、すべてのディストリビューションを表示します。
176
177
178
179 --running
180
181 現在実行中のディストリビューションのみを表示します。
182
183
184
185 --quiet, -q
186
187 ディストリビューション名のみを表示します。
188
189
190
191 --verbose, -v
192
193 すべてのディストリビューションに関する詳細な情報を表示します。
194
195
196
197 --online, -o
198
199 'wsl --install' を使用してインストールするために使用できるディストリビューションの一覧を表示します。
200
201
202
203 --set-default, -s <Distro>
204
205 ディストリビューションを既定として設定します。
206
207
208
209 --set-version <Distro> <Version>
210
211 指定されたディストリビューションのバージョンを変更します。
212
213
214
215 --terminate, -t <Distro>
216
217 指定されたディストリビューションを終了します。
218
219
220
221 --unregister <Distro>
222
223 ディストリビューションの登録を解除し、ルートファイルシステムを削除します。
224
225
226
227 --mount <Disk>
228
229 すべての WSL2 配布に物理ディスクをアタッチしてマウントします。
230
231
232
233 オプション:
234
235 --bare
236
237 ディスクを WSL2 に接続しますが、マウントしません。
238
239
240
241 --type <Type>
242
243 ディスクのマウント時に使用するファイルシステムです。指定しない場合は、既定で ext4 になります。
244
245
246
247 --options <Options>
248
249 追加のマウントオプション。
250
251
252
253 --partition <Index>
254
255 マウントするパーティションのインデックスです。指定しない場合、既定でディスク全体が指定されます。
256
257
258
259 --unmount [Disk]
260
261 すべての WSL2 ディストリビューションからディスクのマウントを解除してデタッチします。
262
263 引数なしで呼び出された場合は、ディスクをマウント解除してデタッチします。
誤訳っぽい部分や不自然な日本語もあるが、まぁなんとなく言いたいことがわかる、でも良かろう。
2022-03-22 16時追記:
WSL で GUI、はさておくとしても「WSL ると日々がオイシイぜ」の例がね、「無限に」あるはずなのだけれど、すぐさまお試せてすぐさま紹介出来るものとなると、そんなにすぐには見つからんなぁと。「サーバ型のアプリケーションは Windows では凄まじく大変だが linux だととてつもなく簡単」というものは本当にたくさんあって、おそらく squid とかもそうなんだけど、「日常用途に squid」が大変なのよ、簡単に動かして試すことは簡単だとしても。そんなわけで「即戦力として日常に組み込めるもの」の例はワタシはすぐには思いつかなかった。
とりあえず jupyter の例を紹介しとくと興味をそそられる人はいるかな?
貼り付けた画像は fedoraremix on WSL2 に「sudo dnf install python3-jupyter'*'
」で導入した jupyter を動かして、Windows の chrome から使ってるの図。
これは「Windows だと大変」というよりは、「linux のパッケージマネージャのごった煮志向に頼ると簡単」てことね。依存物が凄いことになるので、これ。Docker を考えなくても「wsl --export
でバックアップしたインスタンスを wsl --import
して wsl --distribute
で実行」みたいに、やりたいことごとの独立国を作るノリでやれば、作ったり壊したりを気軽に出来るでしょ。こういう依存物が大きいものほど WSL や Docker が真価を発揮する、と思う。
2022-03-29 14時追記:
「Windows では凄まじく大変だが linux だととてつもなく簡単」というタイプの OSS は、たぶん大きく3パターンが多い。ひとつが依存物がとても多いもの。pandoc とかなんかは、linux のパッケージマネージャ任せにするとかなり楽。もう一つがサーバ型のアプリケーション(特に SSL が関係するもの)かなと。て話は上で書いた通り。あと当たり前だが「もともと Windows 向けに考えられてないもの」。このパターンは昔に比べればかなり割合としては減ってはいるけれど、今だってかなり多い。
で、「サーバ型のアプリケーション」が「linux だと楽」の話。果たして「WSL(2)だと楽」に直結してるのだろうか? てことなんだけれど、その反例を見つけたのでその話を。
「System has not been booted with systemd as init system (PID 1). Can’t operate.」。Unix の仕組みに基づいた話なので当然「WSL でしか起こらないこと」ではないのだけれど、でも十中八九 WSL 固有。正確な理解はちゃんとリンク先の説明なりを読んで欲しいけど、要するに「WSL が linux のブートのシーケンスで特別なことをしている」ことが理由で起こる事象。英語のエラーメッセージは「PID=1 の始祖プロセスから始まるという前提が崩れてて困るぜ」と言っている。実際 wsl 起動している体験から薄々感じていたけれど、やはり WSL はかなり特殊なブートをしているということ。
これを喰らったのはまさに squid をお試していたとき。systemctl もしくは server コマンドでサービスの活殺を制御しようとするとこのエラーを喰らう。どのサービスだろうが同じと思うけれど、まだあまり多くを試してないのでわからん、けど少なくとも squid でそうなる。
Ubuntu だと /etc/init.d/squid
がインストールされ、これだと問題なく動作する。なのでたぶん apt ベースの distro なら squid を問題なく動かせる。fedoraremix (なので dnf) だと /etc/init.d/squid
がないので…、試してないけどおそらく Ubuntu というか apt でインストールされる /etc/init.d/squid
をコピーして動かせば動くんじゃないかな、ただのシェルスクリプトだし。
こんな感じで、「linux だと楽 ≠ WSL(2)だと楽」というケースは少なからずありそうなんだよね。まぁこういうのは仕方ないかとは思う、んだけれど、だからこそ「玄人向け」てことになっちゃうんだろうなぁと思うとちょっと哀しい。本当に良いものであるし、とてもいろいろ救世主なんだけどねぇ…。