WinMergeのはなしのようでそうでもないはなし
尊敬した
ブロガーの友、とでも言うか。アクセスログ解析というやつで、なんでこのサイトに辿りついたのか、というのは多少はわかる。で、わたし、WinMerge で比較した画像を貼り付けたりはしてるし、もう15年くらいの付き合いになるソフトウェアだので、emacsとともに「浮気しない」ものトップ3になってるし、…だけれども「WinMerge」なんてキーワード、ほとんど出してないと思うんだけどね、なんでか一定数「WinMerge」で辿りつく人がいるみたい。凄いな…。検索ランキングの遥かランク外のはずなのに。
「WinMerge検索してどうやってここに辿りついたのれすか」な疑問の答えはまぁ放置しよう。でもせっかくふと気になったことであるし、連想ゲームで2つの話をしてみよう。
連想ゲームひとつめ
WinMerge の紹介文をGoogle検索の見出しレベルで一覧するとわかるんだけど、皆一様に「比較ソフトです」または「Diff・マージツールである」と、「比較ソフト」が主役だと思っているのだとわかる。いやいや…。
「マージ」って言ってるじゃないか、名前で。
実はね、WinMerge を最初にみつけたのはそう、SourceForge がデビュー間もない頃、人気ソフトウェアをウォッチするのが結構習慣づいてた時期があったのな。ある日 WinMerge が一位になっていて。まず名前に喰いついた。「あ、視覚的マージエディタかな?」と。
今でもそうなんだけれど、「英文の翻訳」を割と好き好んでやるのね。でさ、「2つのペインの左右で左英文、右翻訳、のようなエディタが欲しいなぁ」と、その頃すごく感じていて、そうやって名前で飛びついてみた WinMerge が、その「わたしの頭の中にあった理想の翻訳エディタ」に激しく似ていたの。WinMerge を翻訳エディタとして使うのは無理があるよ、そうではなくて、「ある種のタイプのエディタの理想形」だったのね。
あとね、今何度も繰り返したように、WinMerge は「エディタ」ですよ。Larry Wall の patch が「人の成果を使うためのオートメーション」として優れているのは確かなんだけれど、パッチを作る、つまり「改造する」のには patch コマンド使えないだろ? 「対話的・視覚的に」エディタで改造をし、差異だけ抽出したのがパッチなわけだ。でさ、例えばたった数行改造するだけのことってあるわけだ。そんときにな、
- オリジナルのコピーを作り、~.new みたいな名前にする
- オリジナルと~.newをWinMergeで開く
- WinMergeで~.newを直接改造する
とすればいいのよ。というかな、WinMerge作者の元々の動機はきっとそうだったはずなんだ。それが「名前に表れてる」。
何が言いたいのかと言うと。
日本人てね、英語苦手過ぎか、もしくは名前大事にしなさすぎってことない? 英語を理解する、最も手っ取り早い方法の一つは、「とにかく字句通りに、まずは直訳で、そして脳内に映像をイメージ」することなのね。例えば bluetooth は「青歯」で正しいの。嘘だと思うなら調べてごらん。「こなれた翻訳」はさ、イメージ出来てるからこそ可能なことなの。変に気取らないで、子供になったつもりで「馬鹿な直訳」にこだわったらいいと思うんだ、あたしゃ。
連想ゲームふたつめ
突き詰めれば英語に慣れればいいのに、の話。
「WinMerge を Unix でも使いたい!」場合にどうするか?
「WinMerge Unix 使いたい」なんて検索したって、そうそう良いものは見つからないよ。「WinMerge linux alternative」で探せばいい。あるいは WinMerge ほど好まれているものになると「WinMerge linux」にスペース打ち込むだけで「alternative」が候補に出てくるはず。
おそらく、なのだが、「私は英語が苦手なのです」のために英語が「出てこないようにするための検索」をしようとしてない? (多分日本語サイトが引っかかるように、無理矢理にでも検索ワードに日本語を入れる。)そうじゃなくて、「探し物をするときには alternative と打ち込むと良いのかぁ」みたいに、少しずつ憶えていくのです。それだけで、世界が何十倍にも拡がる。
なお、WinMerge linux alternative でワタシが見つけた「70点」は、Meld。WinMerge に慣れきっているとかなりストレスたまるけれど、それでも「WinMergeに近い」ので、それなりには満足している。
Google検索っておそろしくて、人がどんな検索ワードを組み合わせたがるのか、がわかっちゃうじゃない。「夫 」と打ち込むと…みたいな。それで日々こういうこと考えちゃうんだよなぁ。