Is this page helpful? – No! (Microsoft HTML Help Downloads の話)

Microsoft のドキュメントは無限ループに陥るんだよな。

昔から Microsoft のドキュメントって使いにくいんだが、記憶では Visual Studio 2005 時代あたりからより一層使いにくくなってったんだよな。

何をしたかったのか? 「chm」の置かれている現状を知りたかったのだ。

今まさに「chm」とかで検索かけると、とてつもなく古い情報しかヒットしないことがわかると思う。これ自体は良いのである。だって「時代遅れのテクノロジ」ではあるから。いまどきこれについて真剣に考える向きなんぞ、あっても仕方ないし、あっても誰も見向きもしないであろう。ということなのではあるものの、ただ、まさに「今どういう位置づけとしてみなされ、扱われているのか、そしてこれをリプレイスするものは何か?」という現在進行形の情報が欲しかった。

ないんだよなぁ。かろうじて WIKIPEDIA が少しこれについて言及しているものの、情報としてはなんか使いづらいつーかわかりづらいつーか。これはあれかな、英語版だけで言及されてる Microsoft Help Viewer が後継つー理解でいいんかな? けどワガランよ、なんだこれは。もちっと説明しろや。てのはまぁ VS 2010 以降を入手すりゃわかるのかな。久しく新しいの入れてないからなぁ。ワタシの Visual Studio 経験は 2005 でほぼ止まっている。

ちぅわけで、「後継」についてはよーわからん。

では。「後継」ではなく「Microsoft HTML Help の最新版」は?

これが今回のタイトルの意味。これさぁ、意味、すぐにわかるかぁ?

Important Please note that the latest version of the HTML Help technology is 1.4, as is the SDK. The latest version of the HTML Help Workshop download is 1.3. As of March 2012 there is no HTML Help Workshop 1.4.
Note The latest version of the HTML Help technology is 1.4, as is the SDK. The latest version of HTML Help Workshop is 1.3. As of June 2009 there is no HTML Help Workshop 1.4.

これを読んで「そうかここからダウンロード出来るのは古いのだな、じゃぁ 1.4 をダウンロードしなきゃな」と思う読者は絶対多いと思うし、正常だと思う。というのは google 検索でのサジェッションが証明している。皆頑張って「Microsoft HTML Help 1.4 sdk download」と検索しようとしていることがわかる。

違うよ。ワタシもまさに「そうかここからダウンロード出来るのは古いのだな」と思って迷子になったのだ。けれど、目を凝らして読むとこれ、単に「HTML Help テクノロジーとしての SDK バージョンは 1.4 で、「Workshop」のバージョンは 1.3 なんだぜ」と言ってるだけ。これだけじゃないのだよ、迷走の原因は。「Microsoft HTML Help Downloads」だよ、一番悪いのは。なんでこのリンク、必要なん? これ、Microsoft.com Download Center のトップに飛んでくだけで、何の解決にもならない。

つーわけで、「Note」「Important」に惑わされない限りは「Microsoft HTML Help の最新版」(というとてつもなく古いアプリケーション)はMicrosoft HTML Help 1.4 から素直にダウンロード出来る。今でも。そういう意味ではまぁ「安泰だ」てことであろう。2002 年にストップしたものが未だに安泰だ、てのは驚異的なことではあるね。けどこんなもんが安泰なのは困るぜ、てのが次の話。

残念なことなんだけれど、今のまさに今でさえも「chm」には一定の需要があって、ときおり python-doc-ja に対して chm 形式でのダウンロードを望む声があがる。

じゃぁそんな要望があがることに対して、「なんでいまさらそんなもんが欲しいわけ?」と思ってるかといえば、別にそういうわけでもなくて、「気持ちはわかる」なのだ。

このサイトではよく「属してる文化の違い」について言及することが多いけどこれなんかまさにその最たるもので、要は「インターネットからは隔離されたネットワーク」で「チームメンバーにドキュメントを配布したい」というニーズに理解があるかどうか、なのな。「いまどき」と思う向きは要は「恵まれた環境しか知らない」ということ。「オフラインで「も」読める」のではなくて、「オフラインでしか読めない」という環境は、特に「大きくて保守的な企業」ほど多いはず。まぁそんなに何社も見たわけじゃないけどね、そこそこは見たよ色んな企業のおかれてる環境。

とはいえ「chm がフレッシュだった頃」でも chm が「万々歳」だったかといえば、「ファイルサーバに置いたまま使えない」という問題があって、結局「全員のローカル PC に配布」という使い方しか出来なくて、これは今でも同じはず。(最近そういう環境にいないのでわからんけど。) のでね、別にその頃だって「きゃー chm、ステキ~」っぷりはさほどでもなかった、つーこと。

「Microsoft HTML Help + オープンなドキュメントビルダー」という組み合わせは今では結構あって、大昔から Doxygen が対応してきたし、Sphinx もこれに倣ったのかは知らんけどとにかく chm でも出力出来る。そして今日改めて調べようと思うまでずっと不思議だったんだよね、「chm ってもう死んでるはずなのに、次が出てこんなぁ」と。

てな悩みがまさに python-doc-ja のこれとかこれだったりします。うーん、ずっと決定打がないまんまなのよねぇ、この問題。