象形文字が読める人専用

今日も Python 公式ドキュメント翻訳のはなし。

これ(using/cmdline.html#cmdoption-d):

Turn on parser debugging output (for wizards only, depending on compilation options). See also :envvar:`PYTHONDEBUG`.

なんだけど、 Python 2.7 訳で「パーサーのデバッグ出力を有効にします。(魔法使い専用です。コンパイルオプションに依存します)。 :envvar:`PYTHONDEBUG` も参照してください。」と訳されていて、3.x 訳で「ウィザード専用です」に修正されていた。

最初文脈を読まずに WinMerge で差異だけみてたので、3.4 訳が正しいのだな、と思った。よくある「ウィザード形式のダイアログ」で使う意味かな、と誤解したので。

直した人がどう思ったのかは知らない。誤訳だと思って、つまり「魔法使いなわきゃねーだろ、ばっかだなぁ」と思って「ウィザード」にしたのか、あるいは、確かに熟練者を「ウィザード」と呼ぶ慣習も割と昔はあったような気もするので、そう思ってそうしたのかもしれない。

そう、これ、「熟練者だけ使いなはれよ」てことを言っている。だから 2.7 訳をした人はこれを十分に理解した上で、あえて「魔法使い専用」としたわけだ。なんかもう「誤訳だ!」と(こっそり)大騒ぎして(ひっそり)大喜びで直されるのも面倒だなと思い、新しい訳では

呪文を解する人だけ使ってください

としておいた。これなら二度と「誤訳だ」キャンペーンは起こらないであろう。