bowline knot、またの名を king of knot、あるいはもやい結び

東京防災に、ロープの結び方が書いてあったな、と思って。

みたらこれ、clove hitch だけなのね。clove hitch も確かに使い勝手はいいけど、ロープのある方向の負荷には耐えられないしな(やってみればすぐにわかる)。ていうかこういう場合、「もやい結び」が真っ先に来るもんだと思ってた。

ロープの扱いって、一度対面で習うと大抵一発で憶えるか、そうでなくても10分練習してすぐに使えるようになるし、「対面なら説明は簡単」なのだけれど、文章でも絵でも、伝えるの、大変なんだよね。もやい結びなんかまさにそうで、憶えてしまえば人に教えるのもとても簡単なんだよね、なんでこんなに「2Dでは伝えにくいのだぁ」とストレスが溜まる。これは「読者」も同じ。対面以外の方法で身につけるの、案外むつかしんだよね。

登山やる人たち、救急救命に関わる人たち、船乗り、ボーイスカウト経験者、あたりがこれを「常識」と思ってる人たちかな。これら以外の人たちは、なかなか覚える機会ないでしょ。

ちと、「自分の身体以外のものに結び付ける」バージョンのもやい結びを、連続写真にしてみた

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ロープの上下関係がわかりにくかったら、画像を全部ダウンロードして、ブラウザ以外でみて。拡大すればわかるはず。

ポイントは2コマ目から3コマ目で、わかりやすさと練習しやすさに配慮した絵になってる。イメージとしては、「巻きつく側だったロープ端を「巻きつかれる」側に変身させる」。この関係だけ理解できていれば、状況に応じたカスタマイズは簡単。(現実に適用しようとすると、色んな不都合起こるもんです。ロープの太さや、荷重の大きさ、などなど。)

実はワタシが持ってるロープの本ではここ、「強く引っ張る」と説明されてたけど、「必ずしも強くひっぱらなくてもいい」のです。どっちかというと「ひっくり返す」イメージの方が近い。(状況によります。「強く引っ張る」必要があるかどうかは。)

「もやい結びの結び方」を、日本語であれ英語であれ調べると「予め輪っかを作っておく」説明が多いのね。けどたとえば「木にロープを結ぶ」みたいな状況で先に輪っか作っとくのってかえって厄介なので、ワタシの連写のように流れの中であとから作ります、ふつー。ちらと見てみた限り、どれも説明が今ひとつだったので、だったら自分のを紹介してしまおう、と思ったのね。

「もやい結びの結び方」はさ、「ロッククライマー等が自身を確保」するための基本の結び方なので、これの説明は「自分に巻きつける場合」の説明のほうがダントツに多くて、ほかのものに結び付けるほうの説明が結構少ないんだなぁ。「自分に巻きつける場合」は動画すぐに見つかりますよ。YouTube で「bowline knot」検索すればかなりの量ヒットします。のでこっちはワタシは説明しない。(2015-09-15: そっちのバージョンはここに書いた。)(こっちも「身体の一連の流れ」で一瞬で覚えてしまえるんだけど、身体をともなわない「ロープのくぐらせかた step by step」だとまず何言ってんだか理解出来ない。)


さて。clove hitch であれもやい結びであれ、「いざというときのため」、というのは、あんまし現実味ないと思うのね。憶えておくにこしたことはない、には違いないけれど、たとえば「命の危険にさらされている」場合、そもそも手近にロープがない、というのが普通だろうし、ロープよりも先に「避難はしご」のお世話になるだろうし。clove hitch は「避難所生活」で多用する可能性はあるけれど、避難所がたとえば体育館とかだったりしたらさ、「どこに使うのよ」となりかねない。

ワタシが思うに、「ロープワークって楽しい」が動機でいいんじゃないかな、てこと。初めて取り組むものなんかなかなか頭使って、それこそ脳トレになると思うしね。趣味の一つにしちゃえばいいと思うよ。