読み始めてる – 「MIND CHANGE」

オートメーション・バカ」と一緒に買ったやつ。

オートメーション・バカ」と同著者の「ネット・バカ」もとっとと読みたいんだけれど、著者が違う本の方が面白いかもな、と思って:

テクノロジーが脳を変質させる マインド・チェンジ (中経出版)

オートメーション・バカ」「ネット・バカ」のニコラス・G・カーは「著述家」とのことで、いわゆる脳科学や心理学の専門家ではないが、MIND CHANGEの著者スーザン・グリーンフィールドは神経科学者。ある意味で「深い」内容が得られる、かも。

今「序」だけ読んだんだけれど、「オートメーション・バカ」と確実に共通していることが最低一つあることが確信出来た。それは…。

「テクノロジー批判」が、今に始まったことではなく歴史的にもずっとそうだが、四方八方からどうやら猛烈な反発を喰らっている、ということ。価値のない回顧主義なら反発すりゃぁいいけれど、「新しいものが良いものだ」「古いものが良いものだ」のどちらも、同程度に正しいし同程度に間違っている、ということくらい、わかりそうなもんだけど、と思うのだけどねぇ…。とはいえ斜め読みの浅い理解に基づく「反射」でもって反発するのは、人の世の常。避けようがないことではあるわな。

どっちの著書も(たぶん)そうなのだが、「暗部にも光をあてて然るべき措置をせよ」という生産的・建設的なことを言ってるだけなんだよね。そしてどっちの著書も、まったく「ヒステリック」なところもなさそうで、至って冷静に議論を展開してる(と思う)。「オートメーション・バカ」が言葉を尽くして一貫して述べるのは、「MIND CHANGE」でも言っている「人の脳は、どのような環境に置かれても、それに適応する」ことの具体とそれが持つ意味、を明らかにすること、にあるように思う。

「反射神経で反発」についてだけどさ。要はこういうことなの。「テクノロジー批判」⇒「いますぐインターネットのない世界に戻れというのか! そんな非現実的な!」と。んなこと誰も言ってねーっての。わかりやすい二元論に飛びつきたくなる気持ちは、わからないでもないけどね。


ところで本題とは関係ない、「確証バイアス」の話。

「確証バイアス」の威力って、ほんとすげーな。「オートメーション・バカ」「ネット・バカ」の2冊と「MIND CHANGE」は、別の書店の全く別の場所で見つけたのね。amazon や google が確証バイアスを強烈に後押しするのは、これは確かだけど、先天的に人間が持ってる確証バイアスの力はもともと大きいのね、てことと、「書店」というシステムそのものも、確証バイアスを十二分に強化する破壊力を持ってるのだなぁ、てこと。ここまで論旨が酷似したものを、同じ場所にあったならともかく、全然別の場所から正確に嗅ぎ分けてしまったわけだから。あーこわいこわい。


今「Part 1 私たちの脳が、変わり始めている」だけ読み終えた。うーん。「ヒステリックじゃない」は、ちょっと違うな…。「著述家」のニコラス・G・カーの方がよっぽど「ジャーナリズム臭」が低く、なんだかこちらの方が感傷的で、新聞の社説でも読んでる気分になってくる。であるがゆえに、間違いなく反感買うだろうし、ワタシにもちとウザい。

Part 2 からようやく「神経科学」による専門的な話になるようなので、Part 1 はなかったことにして、Part 2 以降に期待しよう…。