紙は偉大だがプリンタは持たない生活

どうしても紙でなければならないもの、やっぱり紙が一番相応しいこと、というのはなくならないのであって。

ペーパレスを進めねばらなぬというのは一方ではありつつも、紙がいまでもベストなことってまだまだたくさんあるし、なくなることはきっとないだろう、これが限りなくゼロになるためには「フレキシブルディスプレイ」が世界中の隅々まで普及する必要がある…、てのが 2015 年時点における「現状」と思うのね。

で、この現状との格闘は、普通は職場と家庭とでは、随分違うだろうな、と。

数ある家電のなかでも「電子データを紙に出力するためのデバイス」ほど、「個人で購入することそのものを躊躇する」ものってないんじゃないのかな、と思うのよね。いくら高価でもね、例えばテレビ・冷蔵庫・洗濯機なんかは、何を買うかは悩むにしても、「買うか買わないか」ではそんなに悩まないよね。パソコン(的なもの)も今となってはそうでしょう。毎日使うなら一瞬で減価償却しちゃう。なんで「電子データを紙に出力するためのデバイス」が悩むかと言えば、やはり

  • メンテナンスコストでまず悩む
  • ランニングコストでも悩む
  • 当然要求出力品質で悩む
  • 対応用紙サイズでも悩む

と購入前に悩むことが多くて、しかもこれの買い物失敗って、痛過ぎるよね。場所取るし、重いしな。一番の問題は「職場で普通に使えてる品質」のものは、大抵は個人で気楽に購入できる値段ではなく、家庭用のものに甘んじて「大満足」することはほとんどありえないから、なんだよね。想像だけど家庭用のプリンタを購入した人々は、ほとんど大抵が「満足出来てないうえに」減価償却出来ていないんじゃなかろうか。

私の「紙と電子データの行ったり来たり」は「手書きした紙を電子データに」が最も多いニーズなので、このためスキャナ単体( SCANSCAP (SV600) ) だけは買ったわけである。キーボードではなく紙とペンで書くという行為自体が、脳を効率的に活性化することもあって、まずは手書きしてしまい、必要に応じて電子データとして取り込む、ということを割と良くやる。だからスキャナは減価償却出来るはずだ、と購入前からわかっていたし、実際そう出来ている。

けれども「電子データを紙に」は、自宅でのニーズであれば、頻度はぐっと少なくなる。なんなら半年に一度あればいいほうだ。そんなわけなんで、ワタシはこれまで一度として個人プリンタを購入したことはない。無論それで「万事オッケー」ということではなくて、やはりどうしても紙に出力したい場合はある。そのたびに「どうすっかなー」と思うは思う。けど半年に一回のニーズのために「高価なものは論外」「安物買いの銭失いはもっと論外」ということになって、結局ワタシは一生買わないだろう、プリンタは。(なお、「コピー」はさらに頻度少なくなる、ワタシは。)

なんだけどさ、今日がその「半年に一回」の日だったわけですよ。

「壁に貼り出しておきたいもの」、ごくごく稀に、あるでしょう? 「貼り出しておきたいもの」って、なかなかほかに替えられるものがない。「貼り出しておきたい」のはそう、「隠れて欲しくない、いつでも見えていて欲しい」からなので、「自宅テレビで電子看板システム」みたいな発想はあまり満足出来る解決じゃない。

ちぅわけで、セブンイレブンのサービス「ネットプリント」を初めて使ってみた。

セブンイレブンでは FUJI XEROX の複合機でのサービスをしてて、USBメモリや CD/DVD などのメディアを持っていくか、または「ネットプリント」サービスが使えるのね。「ネットプリント」はユーザ登録が必要、なのですか、そうですか。ユーザ登録は簡単だが、「氏名」入力が求められる。本名入れなきゃダメなんだろか?

登録完了してログインしたら、ファイルアップロードはこんな UI で:

セブン店頭の複合機では「予約番号」(8桁)を入力することになる。全部数字か、英数字か選べる、ということ。複合機側の入力インターフェイスが、英字部分が「ABCD順」なのが却って入力しにくかったりもするので、数字だけ、というのは悪くないかも。

上の画面を抜けるとこんな画面:

すんません、ファイル名がたまたま「.svg.pdf」なので紛らわしいです。svg は対応してないよ。制約は「仕様・注意制限事項」に書かれてます。

モザイクかけてる「予約番号」部分は、最初は「受付中」。この間印刷用に変換したりしてるみたい。「受付中」がとれて「予約番号」が付与されると、「詳細」参照出来る:

そう、ここで印刷プレビューが出来るのね。やってみるまで不安だったとこ。白黒で一枚20円は全く高価なもんではないとはいえ、プレビューなしに「店頭で印刷してみてはじめて失敗が発覚する」なんてありえないでしょ。そりゃそうだよな、出来て当然だ。

あとは店頭まで行って、予約番号を FUJI XEROX 複合機のメニューに従って入力して…。予約番号入力して自分のブツを見つけてくれるまで10秒くらいかかった。

当然「大企業に所属しているなら職場で使えているような」品質のものなので、そうそう不満になるものではないと思うんだけれど、「職場でプリンタ使うのと一番違う」のは、「紙を屋外運搬する」こと、なんだよなぁ、と、燦燦と輝く太陽のもと、そよ風に吹かれてたなびく A3 印刷物を持って歩きながら思った。

…どうでもいいよね、こんなネタ。こういうのって、人によってはもはや空気のように当たり前の話なんだろうし、そうでない人にとっては、それって単に需要がないというだけのことだったりするから。