カバンが Open

東京駅前丸善に行った日の出来事。

デイパックを背負って歩いてたんだけど、ファスナーが開いたままになってて。たまにやるんです、ワタシ。

壁に寄りかかって一服しようとしたら、女性がかなり顔面の近くまで近寄ってきて…。なんだ? と思ったら、海外の女性だった。「Open、Open」とゆっくり繰り返して教えてくれた。ワタシがこれを理解したと言うことがわかるや否や、そのまま何も言わずに颯爽と去っていった。

ファスナーを締めて冷静になってから、なんだかおかしくなってしまって。というのもワタシ、ほとんど英語で話しかけられてる感覚がなかったのね。「え、え、開いてます?」と、焦るでもなく、ふっつーに日本語で反応しちゃってたし。で、この事件が終わってから気付いたのよね、「あ、英語だったのか」と。なんだろ、このヘンな感じ。

一瞬で去ってしまったのでお礼も言えなかったのは残念なんだけれど、「サンキューが出てこなかった」とは全く思わなかった。「ありがとうが言えなかった」ではあっても。

その女性、日本語はほとんど話せないんじゃないのかな、と思うんだけど、「日本にやってきた外国人」をみててよく思うのは、やっぱり「わざわざやってくる」だけの行動力を持ってるだけあって、臆することはないし、「日本人より親切」だったりもするんだよなぁ、と。だからおそらくその「ほぼ日本語が話せない女性」に、「ありがとう」と日本語で返すことって、コミュニケーションとしては全然問題ないし、健全なんじゃないかな、と思う。

なまじ「一瞬のことなので全てが無意識的行動」だったのが良かったのねぇ。身構える隙なんかなかったんだから、焦る余裕もなかったわけだな。いつもこうであったらいいのに、と思うけど、やっぱ普通は焦るよね。