テクニカルな文書で you know 言われると困る

どこぞで「you know ばかり言ってるような英語に憧れなんぞ持たんで良い」てなことを書いておられる人がいて、禿同なわけであるが。

本屋で立ち読み、とか、インターネット「ブラブラ歩き」とか色々やってると、どこで何を読んだかなんて憶えてられないんだけどね、「流暢な英語に憧れ、そうでない自分にコンプレックスを持つ」ことに対して「早口でも you know ばかりで中身がない英語なんかにコンプレックス持つなよ」みたいなことを言ってる人がいたのね。

ところで「browse」の意味、調べたことありますか? 辞書いっぺんは引いてみたらいいよ。きっとブラタモリを英訳したら「browsing Tamori」に違いない。

話が逸れた。

If the first character after the question mark is a “P“, you know that it’s an extension that’s specific to Python.

この you know のニュアンスをあえて伝える必要があんのか、ってこと自体がもう、「なんかどーでもいい」って思っちゃうんだけどさ。ワタシのブログで「まぁ~ってことさ」みたいな口語口調、あんじゃん。その手の「大した意味はないけど「ニュアンスだけは多少あって、でもただのリズム」」な言い回しって、日本語でも結構あるでしょう。you know なんかほとんどの場合「呼吸」とか「合いの手」なわけで、ほとんど意味がないわけね。でも「ニュアンス」だけはあって、訳そうと思えば色んなふうに訳せる。

この抜粋した文章は、「Perl 5 が正規表現を拡張した。Python はそれを受け継ぎ、また、一つさらに追加した。」に続く文章。でこの場合、「(as が抜けたと解釈して)知っての通り」と訳すのは無理がある。書き手がこれを「周知の事実」として書くわけがないのだ。だってこれ、「Python 学習者」に向けられたクックブックなんだもの。だから文字通り「you know」のままで解釈するのが正解。

ニュアンスニュアンス言うとりますが、それってなんなのよ、てのはもちろんアレである。「注意喚起」つぅヤツね。それも「軽いノリ」のヤツね。アクセント、つぅかね。なのでな、ここ

Python supports several of Perl’s extensions and adds an extension syntax to Perl’s extension syntax. If the first character after the question mark is a “P“, you know that it’s an extension that’s specific to Python.

の訳は多分「Python は Perl の拡張のいくつかをサポートし、また、Perl の拡張に一つ拡張を加えています。クエスチョンマークに続く最初の文字が “P“ のものは、そうです、Python 固有の拡張です。」てな感じでしょう。

この「そうです、」という一呼吸があろうとなかろうと、実用的な翻訳にはなんら影響なんかないわけでな。「ノリ」を伝えるかどうか、だけのことな。