ちかいちかば、と Power of トド

S.W.ニクルだし天気も連日よいし、てことで、どこか近くへ遊びに行った。

東京文化財ウィークの冊子だけ持って、東急多摩川線の多摩川駅で下車。多摩川駅を乗り換え以外で使ったのははじめてだ。と思う。

東急多摩川線は東急線最短路線。かつての「目蒲線」が目黒線と多摩川線に分割されてもうだいぶ経つが、「多摩川上流に向かうほど高級感が増していく」のは昔から変わんない。あたしのような庶民には、多摩川駅はコワい存在だ。なんだか「お高そう」な人たちだし。これってのは東急が田園都市を開発するまでもなく「古墳時代」から始まっているらしい、ということを、結果知るハメになった:

Unable to display PDF
Click here to download

読める? つまり古代人も有力者が小高い場所を選び、住んできた、ということ。田園調布もだし、横浜の山の手もそうだし、日本全国のどの「山の手」も、大抵高級住宅街ね。札幌もだぞ。

いや、そりゃ古代史、面白いから、資料館も古墳本体も、楽しかったよ。静かに落ち着いて鑑賞出来るし、気持ちがよい場所ではある。前方後円墳2基は形は良くわからないけれど、円墳8つは形がわかる。好きな人なら資料館で30分以上はいられると思う。展示は結構充実してた。ただしここは博物館ではないので、展示品はレプリカ。けど歴史がわかるように工夫されてて、面白かった。内部が暗過ぎるのが難点かな。

「古墳のついでに」古墳を目指す、というか等々力渓谷を目指す。等々力駅まで 5km くらい、なので、全然歩いて行ける。歩きたくない人は自由が丘で乗り換えて等々力駅まで行けるんで、そうしたい人はそうすればいい。わたしゃ散歩に来たのだ。だから歩く。

とはいえ、「田園調布」を歩くのはなんだか落ち着かない。いや、「落ち着く住宅街」なのだが、落ち着かんだろう、どんだけ資産家ばかり住んどるんじゃ、というとこだから。けどさぁ、今の50代くらいから下の「資産家」って、あんまり「家」を持とうとせずに「高層マンション」を選んでるでしょう? そういうの、ワタシは全然羨ましいと思わないし、だいいち本気で幸福感がなさそうでイヤなんだけど、ちょっと昔までの人たちの「資産家」たちの住む家って、「人間として本当に幸せな暮らし」をしようとしてるのだけはわかるから、羨ましいとは思うんだよね。こんだけ静かで景観がよくて環境が良くて空気が良くて。彼らが本当に「幸せなのか」は知る由もないけれど、住環境は「人間的である」ためにある意味では理想ではあるんだろうなと思う

なんてことを考えながら、地図も見ずに適当に歩いてたら気付いたら環八に出てしまった。ん? 環八って、こんなとこまで延びてんのか、とはじめて知る。ワタシは羽田空港から国道1号までの環八しか知らんのであった。

環八をずっと歩っててもつまらんので、多摩川沿い(多摩堤通り)を目指す。どこかから「登る」感じで等々力渓谷に行けるはずだ、と地図から読み取れるので。と思ってたら、少し過ぎてしまって、等々力渓谷よりも先に野毛大塚古墳に先に辿り着いてしまった。

野毛大塚古墳は全体が公園(玉川野毛町公園)になってて、古墳も完全に整備されてて開けてるもんで、子供がいっぱい遊んでた。あららぁ。雰囲気がいいとは言えないけれど、わかりやすい展示。どうでもいいが、本日二組目の「プロのカメラマンらしき人とモデルらしき人」をこの古墳で見た。一組目は多摩川台公園を下りてすぐの丸子橋のとこ。一組目は20mくらい離れてたので、顔がみえる位置ではなし。二組目は古墳頂上からの降り口を占領して写真撮ってたもんで、仕方なく待っていたという位置関係なので、みようと思えばはっきり顔がわかる位置だけど、見ようとはしなかった。多分知らない人だと思う。

環八に戻って等々力渓谷の入り口を探そう、と思ったら、見つけたのが玉沢橋だったのが、ひょっとしたら幸運だったのかも。階段下りてあまりの別世界に驚いた。

Unable to display PDF
Click here to download

環八の明るさとうるささから、一気に暗がりに入っていく感じで、目が慣れるまで真っ暗にさえ感じた。そして人の多さに驚く。あらまぁ、連休最終日、近場で済まそうという人は、結構考えるのねぇ?

人は多いけれど、そして、本物の田舎ではないと感じるところは多々あって、こんな景色をありがたがるのは都会だからだよな、とは思うんだけれど、なにせ「環八」から下りてきたこともあって、あまりのギャップにさすがに驚くわけだし、なんだかんだとっても静かだ。すぐ上をガンガン車が通ってるとはとても思えない。

「渓谷」は疑いようもなく「渓谷」でも、川は石垣で固められた、都会の川だ。でも確かにこれは渓谷。何箇所か露出した地層は面白い。まさか東京23区でこんなに気軽に露出した地層が見れる場所があるとはね。不動の滝をはじめ、湧水もなんだかんだ気持ちがいい。舗道がかなり濡れているのだが、歩いてらっしゃる皆さまは、これが湧水によるものだって気付いているんだろうか?

渓谷内の横穴は、3号横穴のみが完全な形で残っていて、中をガラス越しに覗ける。照明が入ってるのでちゃんと見える。ふーん、狭いな。この S.W. 期間内で、資料館の類を何箇所もまわったのでようやくわかってきたが、いわゆる我々が知っている「古墳時代」が「古墳時代」らしかったのは4~6世紀のことで、6世紀中~7世紀くらいには、横穴式墳墓になったてことなのね。なんとなく雰囲気で「小さい横穴から発展して前方後円墳」みたいなふわっとした理解してたけど、逆なのね。奈良時代に向かっていく時代に縮小していく時代があるのねぇ。(多摩川台公園の古墳も同じ。初期の4世紀の前方後円墳2基以外の8基は規模が小さなもの。)

この鬱蒼とした感じの暗さと人の多さだと、昼寝に使えそうなのは書院前の広場くらいだろう…、って何の話かって? あのねぇ、なんかね、結構探しちゃうんだよねついつい。のんびり昼寝出来る場所。人が気にならない場所ね。等々力渓谷界隈はちと無理だな、この目的には。落ち着けるけれどもね。

帰りは、等々力駅から東急に乗っても良かったんだけど、別に疲れもいないし、てことで、そのまま歩いて多摩川駅まで戻ることに。行きとは違うルートで。行きよりもずっと多摩川に近いところを歩く。正確には、多摩堤通りの隣の道。ここも田園調布まっただなか、だけれども、どこもそうだけど、「標高上がるほどお高い感レベルアップ」するわけであって、こういう低地は少し安心して歩ける。ここ、桜の時期良さそうね。













てわけでなんだかんだ S.W 期間中随分出歩いたが、そんなに遠出しなくても、色々あるもんだね。というか随分歩いたわ。多分 S.W. 期間中で 50km くらいは歩いてる。随分運動不足の日々が続いたんで、良い大型連休を過ごした感満載です、はい。