「見てみぃ」on 2006 in 日本情報産業新聞

「見てみぃ」とは、ブラマヨ吉田の…

スローテレビの話の中で出した「東京タワーライブカメラ」。あら、東京タワーのある敷地内に「日本情報産業新聞」なんてのが入ってるのね。

なにそれ聞いたことない。どんだけ「日経まみれ」になってるかということかもな、この手のものはなんだかんだ「日経」を思い出してしまう。

と、中を覗いてみると、「連載 「ITスキルの向上を目指して」」なんてのが。どれどれ、どんなこと書いてあるんだ、と。

うん。まぁワタシも言いそうなことが書いてあるわ(太字はワタシ):

それに対し、日本では現在IT関連企業が全国で8000社以上あり、IT技術者は56、7万人いると言われている。他の業界に比べて大変多い数だといえる。自動車業界は、金融は、流通はと色々比較してもその差は歴然である。これは技術者を用意すればお金になるITバブルの結果とも言えるだろう。それが通用する期間が大変長く続き、その間企業はIT技術者の育成を怠り、人口だけ増えていくという状況に甘んじてきた。しっかりとトレーニングを受けずに、OJTと称して現場に出され、縦割り作業の中で全体像が分からず、作業することが目的で仕事をこなしていく状況であったと言える。そのような中で育った技術者が、後進を育成することになり、その結果は容易に予想できる。また「IT」というキーワードだけで、向いていないのにこの業界に入った方が多いのも特徴である。しかも中国の技術者の単価は、日本の技術者に比べてまだ4分の1程度である。経営者やエンドユーザーは、日本人か中国人のどちらを選ぶだろうか。中国の後にはインド、ベトナム、マレーシアが控えており、日本のIT業界、IT技術者は危機的な状況のはずだが、当の本人達はあまり危機感を持っているようには見えない。現在「IT」を勉強して仕事もその方向に行きたいと希望する学生はめっきり減っている。花形だった時期を知っているので、それほど魅力が無い業界になってしまったのかと不安になるような話しである。頭のいい日本人がどうしてこのように遅れを取って、しかもそれを取り返そうとする気配さえ見えないのは不思議な状況である。

2006年に書かれたらしいこの文章は当時の痛々しい現実(事実だぞ)を伝えているが、問題なのはそう、「これは現在進行形で今でも続いているばかりか、状況は益々悪くなる一方」であること。当然だと思わないだろうか。「そのような中で育った技術者が、後進を育成することになり、その結果は容易に予想出来」たまんま、2015年に至っているのだから。

今の問題は、そうやってスクスク育った「ワタシも含む30中盤~40代のバカども」に溢れていること、である。顕著な特徴は、努力し続けることなく「エレベーター式に」スキルがアップしていると信じて疑いもしないことだ。その自信はどこから来るというのだ。日々技術革新が続く中、学ぶことが尽きることなどないと言うのに。思うに「中堅が徹底的に再教育されるべき」と思う。それこそ下から上から蔑まれないよう、自分たち自身で自己改革すべきである。レリゴー言ってる場合ではない。

ただねぇ…最近思うのはさ、これ、もう「IT技術者」固有の問題じゃぁ、ないんだなぁと。まぁもう飽きたろうけどさ、「MIND CHANGE」「オートメーション・バカ」「ネット・バカ」は、「人類の痴呆化」とまで言っちゃってるわけでね。

反発憶えたっていいよ、別に。けどね、危機感くらいは持とうよ、てことだな、アタシが言いたいのはさ。レリゴー言ってる場合じゃねえんだって。あるいは「レリゴーレリゴーお馬鹿さらすのよ」とでも歌っとけ。それなら別に止めやしないよ。


…などと書いてみたが、本当はこの問題、「格差」の一側面、に過ぎないんだよね。最近よく言うでしょ。「中流なき社会」って。もはや「上」と「下」しかないのだ、と。富の集中のことを言っているんではない。「能力の格差」が、広がり続けてる、ってハナシ。